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日本に住むベトナム人 はじめに: 現在日本に住んでいるベトナム人は13000人と言われていますが、その内訳はインドシナ難民として入国した人々、留学生として日本へきてそのまま就職し定住している人々、ビジネスとして日本へきている人々、などに分かれていて、とても一口には説明できないのです。 しかしながら、ここで私が紹介したい「日本に住むベトナム人」というのはインドシナ難民として日本へ入国し、日本で結婚して家族を作って暮らしている人々のことを指しています。 私が知り合ったベトナム人のNさんの話しをここでしようと思います: Nさんが日本へきておよそ20年になります。つまり彼がベトナムを出国したのは1981年ころです。彼はその当時のことは詳しく話してくれません。漁船に乗ってどこかの国を目指している途中で日本の漁船に救助されたのかもしれません。日本が難民条約に加盟したのは1981年のことでした。 彼が日本へ着て一番はじめに直面した困難は、日本語を覚えることでした。日本語は確かに難しい言葉です。表現の方法がさまざまだし、漢字を覚えるのは日本人でも一苦労です。次の問題は仕事を探すことでした。彼は溶接技術の職業訓練を受けて、彼を受け入れてくれる会社を紹介してもらいました。勿論そのころは最低の賃金しかもらえず、生活は苦しかったようです。しかしながら、仕事については彼は彼なりの努力で困難を乗り越えました。「日本人と同じように仕事をしていたら、外国人は給料が安いし、何かあればすぐ首になってしまう。だから、人並み以上に働いて、高いレベルの技術を身につけなければ、生きて行けなかった。」とかれは言いました。現在は、景気の後退で会社の仕事が減ってきていますが、彼は仕事を続けられています。 彼が奥さんと出会ったのは12年前のことでした。奥さんも同じベトナム難民の方です。ベトナム難民いわゆる越僑(ベトキュー)のかたが結婚相手を見つけるのはなかなか難しいものなのです。アメリカやカナダに百万人も越僑の方が住んで居るのにそれでもベトナム本国まで結婚相手を見つけに来るほどです。話がそれますが、日本に住むベトナム人のグループの催し物に参加して感じるのは、20〜30歳くらいの美しい女性の方でも、未だ婚約者を見つけられていない人が多いことです。日本人でもシングルの方が増えていますが、結婚したくないのと、結婚相手を見つけるのが難しいという事では、ずいぶん違うと思うのです。 話しをもどします。彼は12年前に結婚し、子供を2人作りました。現在二人とも小学校へ通っているのですが、やはりクラスの中では、外国人の子供は差別を受け、いじめに会います。子供が学校からいじめられて帰ってくると、母親が学校まで行って教師に話しをしに行ったそうです。しかしながら、母親の日本語はまだ片言なので、うまく話しができなくて悔しい思いをしたそうです。しかし、上の男の子が上級生になってスポーツクラブをするようになって、今ではそのようなことも収まったようです。 二人の子供は、両親と話しをするときにはベトナム語、学校では日本語を話します。しかし、友達といつも日本語しか話さず、TVも音楽も日本語ばかりの環境では、子供は日本語しか話さなくなってしまいます。親とはベトナム語で話しますが、二人とも自分が日本人であると考えています。勿論家族全員日本国籍なのですが・・ときどき、子供たちは、なぜ両親が話す言葉が、学校で話す言葉と違うのかと言う質問を両親にしてくるそうです。両親には、ベトナム人としてのホコリが今もあります。そのようなことから、両親は子供たちがじぶんが日本人だと主張することに、寂しさを感じているのです。 Nさんが私に語ってくれたことですが、将来二人の子供をカナダへ留学させたいとの事でした。あちらならば、たくさんのベトナム人が住んでいるし、日本のような外国人に対する差別(または偏見)が無いので、勉強や就職に適していると考えているのだそうです。 このような話しを聞いて、私は少しショックを受けました。私自身は日本人が外国人に偏見を持っていることは無いと思っていましたが、逆の立場の彼らから見れば、やはり住みづらい国なのかもしれません。どうしたら、ベトナム人に限らず、カンボジアやその他の国の難民の方たちが、本来持っている人権を(そこまで大げさではないかもしれないですが)尊重しあいながらくらせるようになるのだろうかと、今も考えています。 文章&写真撮影 by Cafe Saigon web master. Copyright (C) Cafe Sagon, all right reserved. since1999 |