「何がジェーンに起ったか?」
何がジェーンに起ったか?
              1962・米
何がジェーンに起ったか?

製作:監督:
    ロバート・アルドリッチ
原作:ヘンリー・ファレル
脚本:ルーカス・ヘラー
撮影:アーネスト・ホラー
音楽:フランク・ドボル

出演:ベティ・デイビス
    ジョーン・クロフォード
    ビクター・ブルーノ
    アンナ・リー
    メイディ・ノーマン


ベティ・デイビス

物語

ジェーンは幼少の頃から舞台に立ち、ベビージェーンと呼ばれ、一世を風靡した。父親は、マネージャーとして、ジェーンを溺愛したが、ジェーンはわがままで可愛げの無い子供だった。そんなジェーンを羨望のまなざしで見ていた姉のブランチだったが、やがて成長し、映画界のスターになると立場が逆転した。妹思いのブランチは自分と対等に落ち目のジェーンを映画に出演させるよう会社に要求していた。
そんなある日、交通事故が発生。ブランチは下半身付随となり、映画界を去った。酒に溺れたジェーンの引き起こした事故だと人々は噂した。

数十年後、ブランチ(ジョーン・クロフォード)とジェーン(ベティ・デイビス)は二人で古い屋敷に暮らしていた。ブランチは車椅子の生活。ジェーンが身の回りの世話をしていたが、酒量が増して、異常な行動が目立つようになっていた。
ジェーンはベビージェーンの頃が忘れられない。これからでも、再デビューできるかもしれない。しかし、自分の起こした事故で、姉を半身不随にしてしまった後悔の念は頭から離れないのだった。

時々やってくる家政婦は、ジェーンを施設に入れるよう、ブランチに進言した。ブランチもジェーンのアルコール依存には困っていたのだ。
やがて、ジェーンの用意したブランチの食事に、小鳥や、ねずみの死骸が入るようになり、ブランチの恐怖はつのった。殺される!しかし、車椅子で、しかも二階の生活では逃げられない。電話線はジェーンに切られてしまっていた。

ジェーンは新聞広告でピアニストを募集すると、歌のレッスンを始めた。ピアニストは気色悪いばあさんの相手は気が乗らないが、金のためには仕方ない。
ある日、ジェーンの留守にブランチは意を決して、階下に降りた。医者に電話をしている時、ジェーンが帰ってきた。ブランチはジェーンから暴行を受け、瀕死の状態である。ほとんど食事もとっていないのだ。

ジェーンから解雇された家政婦だったが、ブランチが心配で様子を見にきた。ブランチの部屋に鍵がかかっている。ブランチの身に何か大変なことが起きたのでは・・・。そこへ、ジェーンが帰ってきた。家政婦がジェーンをなじり鍵を開けさせると、なんと、ブランチは猿ぐつわをされ、ベッドに縛り付けられていた。呆然とする家政婦の背後から、ジェーンがハンマーを振り下ろした。

今や、ジェーンの精神は混乱していた。「海の見える浜辺へ行こう」ジェーンはブランチに言った。息も絶え絶えのブランチには死ぬ前にジェーンに伝えることがある。
海岸の浜辺にブランチが寝かされ、隣にジェーンがいた。ブランチがつぶやいた。
「私はジェーンに謝らなければならない」ジェーンは不審な顔で聞いていた。「あの事故、本当は私のやったことなの、貴方が憎くて轢こうと思ってやったら、貴方は身をかわし、私が車から放り出され、怪我をした。貴方は酔っていて覚えていなかったのよ・・・・」
ジェーンはしばらく呆然としていた。やがてジェーンは柔和な表情で言った。「アイスクリーム食べる?」
アイスクリームを手に踊りだすジェーンの周りに人が集まってきた。家政婦殺しを追う警官の姿もあった。


映画館主から

何とも凄まじい映画です。まさに往年の大女優のベティ・デイビスと、ジョーン・クロフォードの鬼気迫る愛憎劇。特にベティ・デービスの演技は怖いです。濃いめのメーキャップもありますが、演技が真に迫ってます。若い頃美しかった彼女がこういう役を演ずるのは、さしずめ入江たか子が怪猫映画にでるようなもの。
監督のロバート・アルドリッチは「ヴェラクルス」「テキサスの4人」などの西部劇や、「攻撃」「特攻大作戦」などの戦争物、「ソドムとゴモラ」などの聖書物まで幅広く手がけていますが、そこには反骨精神があり、(「飛べ!フェニックス」もそうでした)一癖もふた癖もひねりが効いています。
この映画でもラストでどんでん返しがあります。自動車事故の犯人が姉の方だったとは、何という番狂わせなのでしょう。妹の人生を狂わせてしまったのは、実は妹思いの筈の姉だったとは!それを知ったジェーンの表情が、この映画の中で唯一、人間的に穏やかになります。さすが、役者ですね!

ベティ・デイビスの出演作品「イヴの総て」(’50年、ジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督)も芸能界の内幕を描いた傑作でした。

  参考文献:「THE MOVIE] ディアゴスティーニ

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