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「アスファルト・ジャングル」 |
| アスファルト・ジャングル 1950・米 |
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![]() 製作:アーサー・ホーンブローJr 製作:監督:脚本: ジョン・ヒューストン 原作:W・R・バーネット 脚本:ベン・マドー 撮影:ハロルド・ロッソン 音楽:ミクロス・ローザ 出演:スターリング・ヘイドン サム・ジャフェ ルイス・カルハーン マリリン・モンロー ブラド・デクスター アンソニー・カルーソ ジーン・ヘイゲン ![]() ![]() ![]() |
物語 刑務所から出たばかりのドク・リーデンシュナイダー(サム・ジャフェ)は、長年あたためた計画を実行に移すため、ノミ屋のコビー(マーク・ローレンス)の倉庫を訪れた。 「でかい計画があるんだ・・・50万ドルのな」 コビーは生唾を飲み込んだ。ドクの計画は宝石店「ベレティア」の宝石を全部奪うというものだ。 「ブツは100万、いやそれ以上かも知れん」 盗品故買は半値が相場だから50万にはなる。 計画を実行するためには、金庫破りの達人、腕のいいドライバー、ならず者、つまり用心棒の3人が必要で、彼らには前金で計5万ドルの報酬がいる。それを出せるスポンサーを探さなくてはいけない。 コビーは即座に悪徳弁護士エマリック(ルイス・カルハーン)をドクに紹介した。エマリックは長年弁護士をしているが裏であこぎな高利貸しで儲けていた。別荘にはアンジェラ(マリリン・モンロー)という若い情婦を囲っている。 エマリックは、ドクの計画を聞き、考えを巡らせた。 「私にまかせなさい」エマリックは答えた。 一夜明けて、ドクがコビーの倉庫へやって来た。「昨夜の女はどうでした?」 「酔っ払ってしゃべりっぱなしさ。だが、いい話を聞いた。エマリックは破産したそうだ」 コビーは眼を剥いた。「冗談でしょ」 ドクは気にもしない風だ。実行する人間に前金を払ってもらえればそれでいい。 ドクは早速、人選にかかった。金庫破りにルイス(アンソニー・カルーソ)、ドライバーにバー店主のガス(ジェームズ・ウィットモア)、用心棒にならず者のディックス(スターリング・ヘイドン)が決まった。 コビーが彼らに報酬を渡す。 その頃、エマリックは金の回収屋ブラナム(ブラド・デクスター)と会っていた。「私は破産した。だが、こんな時にでかいチャンスがやって来たんだ」 エマリックはドクの計画をブラナムに聞かせた。 「全部を横取りし、外国にドロンだ、儲けは君と山分けでどうだ」ブラナムは頷いた。 計画実行の夜。ルイスは人通りのないマンホールから侵入、古い蒸気管の通る地下道を行き、壁を破ると「ベレティア」の暖炉室へ出る。裏階段を登り、警報機を取り外す。裏口を開けるとドクとディックスが待っていた。 3人は金庫室に向かう。金庫室の前にある赤外線感知器を潜り抜ける。金庫のドア周辺にルイスがニトロを設置し爆破した。ディックスが外の様子を見ていると町中の警報機が鳴り出していた。ドクは急いで金庫の中の宝石をカバンに詰め込んだ。 逃げる時、見回りの警備員ともみ合いになり、警備員の銃が暴発してルイスの脇腹に当たった。待機していたガスの車で一目散に逃げる。 エリックの事務所。宝石を持参したドクとディックスが入って来た。そこにはエリックの他に回収屋のブラナムもいた。ここでエリックが金を渡す約束なのだが・・・ 「実は、金の工面に数日かかる。額が大きいからな。それまで宝石は私が預かる。君のような大物がしかも出所したてで持っているのは危険だ」 その時、ブラナムが銃を構えていた。「カバンを渡せ」 ドクがカバンを放り投げた瞬間、ディックスの銃が火を噴いた。ブラナムは即死し、ディックスも脇腹を撃たれた。 ドクはエリックに言った。「つまらない真似をしましたね。友人の始末は貴方がしなさい」 翌日、エマリックは警察の来訪を受けた。エマリックが海に捨てたブラナムの死体が上がったのだ。昨夜の行動を聞かれ、別荘で愛人と一緒だったと嘘をつく。後でアンジェラに電話して口裏を合わせるように命じた。 しかし、数日後、別荘に現れた警察長官は言った。「貴方の友人のノミ屋のコビーが全部吐きましたぞ」 アンジェラが長官の前に連れて来られた。「真実を言わないと刑務所に入ることになるが、それでもいいかな」 エマリックはもはやこれまでと観念した。アンジェラは泣き崩れた。 エマリックは別室で拳銃自殺を遂げた。 ガスにアパートまで運ばれたルイスは家族に看取られ死んだ。ガスも捕らえられ刑務所へ。 一方、ディックスは愛人ドール(ジーン・ヘイゲン)のアパートへドクを連れて行った。その頃すでに新聞にドクの指名手配写真がデカデカと載っていた。 ドクは分け前の宝石をディックスに差し出すがディックスは断る。「宝石を売り歩くなんてがらじゃない」 ドクはディックスと別れるとタクシーに乗った。途中、給油のために立ち寄ったスナックで若者たちにジュークボックスの小銭を与えて音楽を聞いていたのが間違いだった。外で警官が中を覗きドクを確認したのだ。 ディックスは付いて行くというドールと車で故郷のケンタッキーに向かった。ディックスの脇腹の傷はいまだに血を流しつづけていた。そして、ケンタッキーの農場に車を乗りつけた時、ディックスは力尽きた。倒れたディックスの周りに夢にまで見た黒馬が数頭擦り寄ってくるのだった。 |
| 映画館主から ジョン・ヒューストン監督のフィルムノワールの傑作ハードボイルド。 悪事を働く者、それを裏切る者、そんな男たちに付いて行く女。ジョン・ヒューストンは裏世界の人間模様を淡々と描きます。決して派手なアクションがあるわけではありませんが、それだけに犯罪の場面はリアルです。 宝石強奪を計画実行したドクを演じたサム・ジャフェが落ち着いた紳士ぶりで印象に残る演技でした。ベネチア映画祭主演男優賞を受賞したのも納得です。 主演のスターリング・ヘイドンは不敵な面構えでならず者を演じています。6年後にスタンリー・キューブリックの「現金に体を張れ」に主演していますが、これも面白い映画でした。いづれにしても悪事は成功しないというパターンです。 高利貸し回収役のブラナムに「荒野の七人」のガンマンの一人、ブラド・デクスター、ヘイドンの愛人に「雨に唄えば」の憎まれ役、ジーン・ヘイゲン、そして、悪徳弁護士の情婦役に当時23歳のマリリン・モンローが出演しています。 本作はジョン・ヒューストンの「黄金」と「アフリカの女王」の間に発表された作品ですが、ヒューストン44歳、一番油の乗っていた時期ではないでしょうか。 キューブリックの「現金に体を張れ」で主演にスターリング・ヘイドンを起用したことからも彼がヒューストンに影響されていたことが窺がえます。 私は黒澤明と並んでジョン・ヒューストンの骨太な映画を愛します。 ジョン・ヒューストンの世界をご参照ください。 |
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