「座頭市」
勝新太郎映画
忠臣蔵 忠臣蔵(’58大映)

監督:渡辺邦男

共演:長谷川一夫
    市川雷蔵
    山本冨士子
    川口 浩
    京マチ子
    鶴田浩二
    若尾文子
    淡島千景
    滝沢 修

赤穂義士四十七人による有名な復讐劇で、戦後数多く作られた中でも娯楽性豊で製作日数の少なかったことでも話題になった作品である。

大石内蔵助を演じた長谷川一夫が主演だが、勝新太郎は義士の一人、赤垣源蔵を演じた。

釈迦 釈迦(’61大映)

監督:三隅研次

共演:本郷功次郎
    チェリト・ソリス
    川崎敬三
    市川雷蔵
    山本富士子
    京マチ子

スーパー・テクニラマ方式によるわが国初の70ミリ作品。

仏陀の生涯を伝記的に脚本化、様々なエピソードを盛り込み活劇風なスペクタクルに仕上がっている。
当時としては破格の5億円を掛けたとのことだが、大ヒットとはならなかった。

仏陀役の本郷功次郎が主役で勝新太郎は悪の権化、ダイバ・ダッタを演じた。
悪名 悪名(’61大映)

監督:田中徳三

共演:田宮二郎
    中村玉緒
    中田康子
    水谷良重
    浪花千栄子

今東光の同名小説の映画化。

勝新と田宮二郎のコンビでシリーズ化され14本作られた。

河内の農民の倅・朝吉は無頼の暴れん坊で、松島遊郭で土地のヤクザ・モートルの貞と対決しぶちのめす。
貞は朝吉を親分に、足抜きをして因島へ売られた琴糸を救うべく島に乗り込む。
そこでピンチに陥ったところを島の女親分に救われて・・・・
座頭市物語 座頭市物語(’62大映)

監督:三隅研次

共演:天知 茂
    万里昌代
    島田竜三
    柳永二郎
    毛利郁子
子母沢寛の随筆集にほんの10数頁記されていた座頭・市の話をもとにツボ振りもい合い抜きも目明き以上に好きで女好きというアウトローのヒーローが作り出された。
勝新太郎がぴたりと嵌まり大ヒットシリーズ化され、26本が製作された。

この第一話がよく出来ており、肺病病みの浪人・平手造酒を演ずる天知茂との友情とラストの決闘は悲哀が滲んだ名場面であった。


最後の「座頭市」は勝自身の監督によるものである。
秦・始皇帝 秦・始皇帝(’62大映)

監督:田中重雄

共演:本郷功次郎
    川口 浩
    川崎敬三
    宇津井健
    市川雷蔵
    長谷川一夫
    中村雁治郎
    山本富士子
    中村玉緒
    山田五十鈴
    若尾文子

大映創立20周年記念作品として「釈迦」に次ぐ日本の70ミリ映画第二作である。

秦の始皇帝の波乱万丈の半生を大映オールスターで描いた。

万里の長城建設や焚書坑儒などの行為で後世まで語り伝えられた秦国の始皇帝を勝新太郎が扮し、他の豪華キャストで記念作品に相応しい大作となった。
兵隊やくざ 兵隊やくざ(’65大映)

監督:増村保造

共演:田村高廣
    滝 瑛子
    淡路恵子
    成田三樹夫
    

有馬頼義の原作「貴三郎一代」を映画化。

無知で無頼の新兵・大富貴三郎とインテリで時代に背を向けた三年兵・有田がコンビを組んで、大日本帝国陸軍内部の非人間的な機構の中で、ヤクザの論理を盾に人間的に生き抜いていく姿を描いた。

シリーズ化され全9作が作られた。
人斬り 人斬り
(’69 フジテレビジョン=勝プロ)

監督:五社英雄

共演:石原裕次郎
    仲代達矢
    三島由紀夫
    倍賞美津子
    辰巳柳太郎 
    仲谷 昇
    山本 圭
    伊藤孝雄
    田中邦衛
五社英雄監督がダイナミックかつエネルギッシュに演出したテロルの美学。

岡田以蔵(勝)は天才的な剣の腕を見込まれ土佐勤皇党に迎えられた。そして期待通りの動きで『人斬り以蔵』と恐れられる。
だが犬意識を持ち始めた彼は既に無用の長物でしかなかった・・・
田中新兵衛役の三島由紀夫が圧倒的な存在感を示したが、この映画の翌年、市谷自衛隊に乗り込みアジ演説の後、割腹自殺を遂げるという衝撃的な事件が起きた。
裕次郎は坂本竜馬役であった。
やくざ絶唱 やくざ絶唱(’70大映)

監督:増村保造

共演:大谷直子
    田村正和
    大地喜和子
    川津裕介

勝扮するやくざと異母妹の大谷直子の日本的な愛憎を秘めた兄妹相姦願望がテーマ。

妹に純粋無垢な愛を注ぐやくざは、やはり兄を慕いその思いを断ち切るため川津裕介の教師に身を任せまでした妹を女として外界に向かって自立させるべく、わざと新興やくざのボスを殺して自らも壮絶に撃たれて死んでいく。
映画館主から

長唄三味線の杵屋勝東治の次男として生まれた勝新太郎は二代目・杵屋勝丸として1954年にアメリカ巡業中に、撮影所で紹介されたジェームス・ディーンに感化され映画俳優になることを決意、転向。
23歳のときに大映京都撮影所と契約、1954年の「花の白虎隊」でデビューしました。
同じ頃大映でデビューした市川雷蔵とはお互いにライバル同士であり、後年、勝と雷蔵とは大映の二枚看板を背負っていくことになります。

雷蔵が大スターになっていく中、勝の人気はさっぱりでしたが、1960年の「不知火検校」での悪僧役で演技開眼、続く「悪名」での一匹狼やくざで大ヒット。シリーズ化され一躍スターの仲間入りを果たします。

「座頭市物語」に始まる「座頭市」シリーズは何と言っても勝新太郎の真骨頂です。破天荒で遊び好きの勝の人間性がそのまま座頭市に乗り移ったかのようにピタリと嵌まっているのです。

晩年、下着に隠した麻薬不法所持で逮捕された時に、「今後は同じ事件を起こさないように、もうパンツははかない」と言い、下咽頭癌で入院治療をしていた間も禁じられた煙草は絶対にやめず、記者会見でも「煙草はやめた」と言いながら煙草を吸っていたなど、数々のパフォーマンスは記憶に新しいところです。

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