「嵐を呼ぶ男」」
石原裕次郎映画
狂った果実 狂った果実(’56 日活)

監督:中平康

共演:津川雅彦
    北原三枝
    岡田真澄
    芦田伸介
    石原慎太郎

裕次郎の主演第一作となった記念的映画。
兄慎太郎の芥川賞小説「太陽の季節」にチョイ役で出演した裕次郎が素質を見出され同じく慎太郎原作の映画化で主役に抜擢された。
暇を持て余す遊び人の兄弟が一人の女を巡って骨肉の争いを繰り広げる。
ラストの衝撃的場面はショッキングだった。


「太陽の季節」以来、「太陽族」が流行語になった。
幕末太陽傳 幕末太陽傳(’57 日活)

監督:川島雄三

共演:フランキー堺
    南田洋子
    左 幸子
    芦川いづみ
    小林 旭
    小沢昭一
    二谷英明
    市村俊幸

川島雄三監督の代表作。

落語の「居残り左平次」に「芝浜の革財布」「品川心中」のネタを取り入れたギャグ満載の異色時代劇に仕上がっている。
主演はフランキー堺だが、裕次郎は高杉晋作に扮して幕末の勤皇の志士の中心となっている。
品川の遊郭旅館で無一文の左平次は仲間を引き連れての大尽遊び。だが、左平次はその後旅館の仕事を要領よくなんでもこなす。しかし左平次は胸を患う身だった。
俺は待ってるぜ 俺は待ってるぜ(’57 日活)

監督:蔵原惟繕

共演:北原三枝
    二谷英明
    小杉 勇
    杉浦直樹

蔵原惟繕監督のデビュー作で日活アクション初期の代表作。

兄のあとを追ってブラジルへ行くことを夢見ている主人公が、ふとしたことから兄はブラジル行きの船に乗っておらず波止場で顔役に金のために殺されたことを知る。
単身事務所に乗り込み顔役を壮絶な殴り合いの末に叩きのめす。
ラストの裕次郎と二谷の闘いは迫力充分だ。
嵐を呼ぶ男 嵐を呼ぶ男(’57 日活)

監督:井上梅次

共演:北原三枝
    金子信雄
    芦川いづみ
    白木まり
    青山恭二
    

裕次郎を一躍国民的スターにした大ヒット作。
この一作のヒットにより、それまで赤字経営だった日活は再建を果たした。

銀座の暴れん坊国文正一は兄の薦めでジャズドラマーを目指し猛訓練する。
女流マネージャー美弥子との恋。
ライバルチャーリー桜田とのドラム合戦の前日、正一はトラブルに巻き込まれ右手を負傷する。
だが正一はマイクを握り歌を歌い喝采を浴びた。
風速40米 風速40米(’58 日活)

監督:蔵原惟繕

共演:北原三枝
    宇野重吉
    川地民夫
    小高雄二
    渡辺美佐子

北大建築学科の学生、滝颯夫は小さな建設会社の工事部長の父が競争相手の大会社に買収されビル工事を遅らせているのを知る。
しかし父親は自分が単に利用されているだけと悟り、颯夫と共に突貫工事でビルを完成させる。
クライマックスでは工事中のビルを風速40メートルの台風が襲う。
花と竜 花と竜(’62 日活)

監督:舛田利雄

共演:浅丘ルリ子
    岩崎加根子
    葉山良二
    白木マリ

原作は火野葦平の任侠小説。

明治末に沖仲士から身を起こし、九州一帯の港湾荷役を手中に収めた大親分・玉井金五郎の一代記。
裕次郎は無鉄砲でロマンチストの金五郎を演じた。
ラストの雪中での決闘が見所である。
銀座の恋の物語 銀座の恋の物語(’62 日活)

監督:蔵原惟繕

共演:浅丘ルリ子
    ジェリー藤尾
    江利チエミ
    和泉雅子

新進の画家・伴次郎は恋人、秋山久子との結婚を決意するが、久子は交通事故に会って記憶をなくしてしまう。
伴次郎の前から姿を消した久子を数年後、伴次郎は探り当てた。
久子の記憶を戻そうと必死の努力を続ける伴次郎。

山田信夫の脚本は二重、三重にひねりがきいていて巧みな構成である。

裕次郎のデュエット曲も定番である。
若い人 若い人(’62 日活)

監督:西河克己

共演:浅丘ルリ子
    吉永小百合
    大坂志郎
    三浦光子

石坂洋次郎原作の3度目の映画化である。

特殊な生活環境からひねくれた育ち方をした思春期の少女の多感な心理を描いている。
彼女に理解を示す教師と彼と親密な女教師との微妙な三角関係。
太平洋ひとりぼっち 太平洋ひとりぼっち
(’63 日活=石原プロ)

監督:市川 崑

共演:森 雅之
    田中絹代
    浅丘ルリ子
    大坂志郎

弱冠22才の堀江謙一青年が小型ヨット『マーメイド号』で94日間の単独太平洋横断を成し遂げた。
堀江の同名手記を市川崑がスリルとユーモアで描いた青春冒険映画。

シケや台風で悪戦苦闘する堀江。水は腐り、食料は不足してくる。
体力も消耗して・・・やがてサンフランシスコの金門橋を遠くに見つけた堀江は狂喜した。
夕陽の丘 夕陽の丘(’64 日活)

監督:松尾昭典

共演:浅丘ルリ子
    中谷一郎
    和田浩治
    名古屋章
    

菊村到の原作「男の歌」を裕次郎と浅丘のコンビで映画化した正統派ムードアクション。

ヤクザ篠原健次は兄貴分の森川が服役中、森川の情婦・聖子と恋仲になってしまった。
それを密告しようとした男を射殺して聖子の妹・易子のいる函館に身を隠す。
やがて森川が聖子を伴って函館に現れた・・・

清純なヒロイン役から成長した浅丘ルリ子が一人の男を愛する姉妹を二役で演じた。
赤いハンカチ 赤いハンカチ(’64 日活)

監督:舛田利雄

共演:浅丘ルリ子
    二谷英明
    金子信雄
    芦田伸介
日活ムードアクション最盛期の
傑作。

横浜麻薬ルートを追っていた刑事の三上は参考人の男を殺してしまう。彼は過失を悔やんで辞職し北海道へ・・・
後年、土屋警部補から誤射事件は同僚の石塚刑事の罠だと知らされる。
三上が横浜に舞い戻ると石塚は大実業家に変貌していた。その妻は三上が殺した男の娘だった。
三上は麻薬の裏稼業を操る石塚の悪事を暴いていく。
黒部の太陽 黒部の太陽
(’68 三船プロ=石原プロ=日活)

監督:熊井 啓

共演:三船敏郎
    志村 喬
    滝沢 修
    佐野周二
日本映画界が縮小均衡をたどり始めた時期にスタープロの三船と石原が提携、監督に熊井啓を迎えた。

関西電力の黒四ダム工事の実録。

大手建設会社の技師が下請け会社員らと協力、人知・情熱・機材をかたむけて破砕帯の難関を突破。
ついに工事用トンネルを貫通させてダム完成をみるまでの人間ドラマ。
当時としては破格の三億九千万円をかけた超ど級。
人斬り 人斬り
(’69 フジテレビジョン=勝プロ)

監督:五社英雄

共演:勝新太郎
    仲代達矢
    三島由紀夫
    倍賞美津子
    辰巳柳太郎 
    仲谷 昇
    山本 圭
    伊藤孝雄
    田中邦衛
五社英雄監督がダイナミックかつエネルギッシュに演出したテロルの美学。

岡田以蔵(勝)は天才的な剣の腕を見込まれ土佐勤皇党に迎えられた。そして期待通りの動きで『人斬り以蔵』と恐れられる。
だが犬意識を持ち始めた彼は既に無用の長物でしかなかった・・・
田中新兵衛役の三島由紀夫が圧倒的な存在感を示したが、この映画の翌年、市谷自衛隊に乗り込みアジ演説の後、割腹自殺を遂げるという衝撃的な事件が起きた。
裕次郎は坂本竜馬役であった。
映画館主から

昭和の太陽、日本人が最も愛した男と称された二度と現れそうにない男。

多くの映画に出演し日活の黄金期を築いた大スター。ムードあるその歌声は映画と合わせてヒットしました。

私がカラオケで歌うとすれば殆どが裕次郎の歌です。
しかし、彼は「私は俳優であって歌手ではない」との主張からNHKの紅白歌合戦に出場を請われたときに断ったと伝えられています。

足が長くイカス男の代名詞でもありました。だが演技力はどれも画一的で、ただ格好いいだけという感じは否めませんでした。

若いときからスポーツ万能でしたが、怪我で入院したのも幾度か。
晩年は舌癌、椎間板ヘルニア、解離性大動脈瘤、肝細胞癌などに苦しみ、ついに1987年7月この世を去りました。52歳の若さでした。

交友関係の広さでも知られ、落語家の林家三平、女優の司葉子、エルビス・プレスリー、特に勝新太郎や美空ひばりとは義兄弟の契りを交わしていたとされます。
巨人軍の長嶋茂雄、王貞治、栃錦、若乃花、朝汐、力道山、青木功、などのスポーツ選手政治家の池田勇人、芸術家の岡本太郎などが上げられます。

私は小学生の頃から裕次郎の映画で育ったようなものです。そういう意味では私にとって裕次郎は美空ひばりと双璧といえます。

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