古銭用語輯
2000/09/15 修正
この用語輯でほぼ古銭の用語は網羅出来てゐると思ひますが、他に判らない用語又はもつと詳しい説明の欲しい用語が有れば出来る限り対応させて貰ひたいと考へますので、電子メールを下さい。
注)括弧内は、「現代假名遣い」による読みを再現してをります。
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- 古銭(こせん)
現中国の昔の殷時代から清朝末期までに、大陸・日本・朝鮮半島・ヴェトナム等で製造された銭貨を云ふ。大陸原貝貨から安南保大通寶(ばおだいつうほう)まで数限りなく有り。
- 古文銭(こもんせん)
隋時代までに製造された古銭を云ふ。刀幣・布幣・古圜法・半両・五銖など。
- 穴銭(あなせん)
四角い穴の空いた古銭。丸い穴の空いた古銭は古圜法(こえんぽう)と云ふ。
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- 渡来銭(とらいせん)
唐の開元通寶から明の宣徳通寶までの間に製造された古銭。狭義には、鎖国以前に日本に渡来して来た古銭を云ふ。
- 輸入銭(ゆにゅうせん)
明の弘治通寶以降に製造された古銭。渡来銭とは江戸時代の鎖国を境とする。
- 琉球銭(りゅうきゅうせん)
現沖縄県地方で製造された古銭。
- 朝鮮銭(ちょうせんせん)
朝鮮半島で製造された古銭。
- 安南銭(あんなんせん)
現ヴェトナムで製造された古銭。
- 小平銭(しょうへいせん)
一文銭の事。
- 折二(せつに)
二文銭の事。
- 當三(とうさん)
三文銭の事。當三・當四・當五・當八・當十・當五十・當百・當五百・當千まで有り。
- 鋳造銭(ちゅうぞうせん)
金属を溶かした湯を砂型又は銭笵に流し込んで製造した古銭。
- 打製銭(だせいせん)
金属の板を刻印の入つた金型で打抜いて製造した古銭。
- 銭笵(せんぱん)
古銭を鋳造する際の鋳型を云ふ。古文銭は此れを使用した。
- 母銭(ぼせん)
古銭を鋳造する際の砂の鋳型を作る為の、少し大き目で製作した美麗な古銭を云ふ。別名、種銭。
- 鋳溜り(いだまり)
古銭の肌に文字以外の跡が浮き出てゐる事。
- 錯笵(さくはん)
鋳造の失敗で、銭文がダブつてゐる。
又は、郭や輪が正しい位置からづれてゐる。
- 官鋳銭(かんちゅうせん)
時の政府が公式に鋳造し発行した古銭の事。
- 民鋳銭(みんちゅうせん)
時の政府から請負つて民間が鋳造し、政府が発行した古銭の事。
- 私鋳銭(しちゅうせん)
時の政府の意志に関係無く、民間が鋳造し流通させた古銭の事。
- 万選銭(ばんせんせん)
宮廷内でのみに使用された古銭の事。別名、内廷銭。
- 様銭(ようせん)
本格的な発行を前に試験的に数枚作つただけで終つた古銭。別名、試鋳貨。
- 絵銭(えせん)
銭貨として流通する事を目的とはせず、専ら玩具としてや祭事の小物としての利用の為に作られたもの。
- 作銭(さくせん)
別名、似せ物。流通する通貨に似せて作成された物。又は、古銭収集家を騙す為に作られた物。作銭によつては価値のある物も有り。
- 蕃字銭(ばんじせん)
漢字以外の文字が書かれた古銭。西夏文字・蒙古文字・満洲文字などで書かれる。蛮字とも書かれるが、蕃字が正しい。
- 源氏名銭(げんじなせん)
古銭家が其の古銭の特徴を最も判り易く表現する為に名附けられた古銭。鬼天啓・俵唐國など。
- 伝世(でんせい)
当初流通してゐたが、いつしか古銭家の手に渡り代々伝へられてきた古銭。
- 出土銭(しゅつどせん)
当初流通してゐたが、いつしか土の中に埋つてしまひ、後に掘起された古銭。
- 対読(たいどく)
銭文を、上・下・右・左のやうに読む穴銭の読み方。寛永通寶が代表的。
- 循読(じゅんどく)
銭文を、上・右・下・左のやうに時計回りに読む穴銭の読み方。和同開珎が代表的。別名、回読(かいどく)。
- 左文(さぶん)
銭文を、上・左・下・右の様に反時計回りに読む穴銭の読み方。島銭の特徴の一つ。
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