続古銭用語輯 2000/09/15 修正

古銭のネーミング(分類)に欠かせない用語を集めてみました。ほぼ日本の古銭家が一般的に使用してゐる筈です。

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  1. 面(めん)
    古銭のを云ふ。寛永通寶や開元通寶などと書かれてゐる側の事。

  2. 背(はい)
    古銭のを云ふ。通常は何も書かれてゐない。

  3. 輪(りん)
    古銭の外周の部分を云ふ。この部分を削る事を磨輪(まりん)と云ふ。

  4. 縁(えん)
    古銭の外枠の部分を云ふ。この部分が細いと細縁(さいえん)、太いと濶縁(かつえん)となる。

  5. 銭文(せんぶん)
    古銭の面に書かれた四文字を云ふ。

  6. 背文(はいぶん)
    古銭の背に書かれた文字を云ふ。数字や鋳造地などが書かれる。

  7. 肌(はだ)
    古銭の面や背の窪んだ部分を云ふ。鋳肌(いはだ)とも云ふ。

  8. 郭(かく)
    古銭の四角いを云ふ。郭が無い事を郭抜けと云ふ。

  9. 穿(せん)
    古銭の四角いを云ふ。穿が狭い事を狭穿(きょうせん)と云ふ。別名、孔(こう)・穴(あな)。

  10. 肉(にく)
    古銭の厚みを云ふ。肉が厚い事を厚肉と云ふ。


  1. 仰(あお・ぐ、ぎょう)
    文字が標準より左上を向いてゐる。

  2. 俯(ふ・す、ふ)
    文字が標準より左下を向いてゐる。

  3. 進(すす・む、しん)
    文字が標準より左に寄つてゐる。

  4. 退(しりぞ・く、たい)
    文字が標準より右に寄つてゐる。

  5. 高(こう)
    文字が標準より上に寄つてゐ る。昂(こう)とも云ふ。

  6. 降(こう)
    文字が標準より下に寄つてゐる。

  7. 接郭(せっかく)
    文字が郭に接してゐる。


  1. 星(ほし)
    古銭の裏などに描かれる「・」(点)の事を云ふ。

  2. 圏星(けんせい)
    古銭の裏などに描かれる「○」(丸)の事を云ふ。

  3. 月(つき)
    古銭の裏などに描かれる括弧マークの事を云ふ。別名、爪(つめ)。

  4. 俯月(ふつき)
    普通の月は中心が下がるが、此れは逆に中心が上がる。

  5. 孕月(はらみづき)
    月と星の合成。月が子供を宿してゐるやうに見える為、かう呼ばれる。

  6. 竪文(じゅぶん)
    古銭の裏などに描かれる「|」(棒)の事を云ふ。

  7. 決文(けつぶん)
    古銭の郭の角に出つ張りが附いてゐる事。

  8. 波(なみ)
    四文銭。11波と21波が有り。

  9. 背上(はいじょう)
    背郭の上側。他に背下(はいか)、背右(はいみぎ)、背左(はいひだり)など有り。

  10. 通下(つうか)
    通の下側。他に通上(つうじょう)、寶下(ほうか)、寶上(ほうじょう)など有り。


  1. ス貝寶(すばいほう)
    寶字の字の下がになつてゐる。古寛永の特徴。

  2. ハ貝寶(はばいほう)
    寶字の字の下がになつてゐる。新寛永の特徴。

  3. マ頭通(まとうつう)
    通字の字の上がになつてゐる。

  4. コ頭通(ことうつう)
    通字の字の上がになつてゐる。

  5. ユ頭通(ゆとうつう)
    通字の字の上がになつてゐる。島屋文の特徴。

  6. 重点通(じゅうてんつう)
    通字の進繞の上の点が2個になつてゐる。

  7. 単点通(たんてんつう)
    通字の進繞の上の点が1個になつてゐる。

  8. 缶寶(がくほう)
    寶字の字がになつてゐる。(ふほう)とも云ふ。

  9. 珍寶(ちんほう)
    寶字の字がになつてゐる。

  10. 缶隆(がくりゅう)
    隆字の字がになつてゐる。(ふりゅう)とも云ふ。

  11. 正隆(せいりゅう)
    隆字の字がになつてゐる。

  12. 出頭宝(しゅっとうほう)
    満文宝の頭が出つ張つてゐる。

  13. 円頂宝(えんちょうほう)
    満文宝の頭が円形になつてゐる。


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