2001/10/31 【ソフトウエア編TOPに戻る】
PIC(ピック)とはMicrochipTechnology社が開発した小さなマイコンです。PICの語源(?)はPeripheral Interface Controller(ベリフェラルインターフェイスコントローラ、周辺機器の接続を制御するもの)ということで、もともとシステムの中心になるというよりは、周辺I/Oとの接続制御という役割をもって生まれたマイコンです。さまざまな周辺機器と接続するためにラインナップも豊富で、使用目的に応じて機能別に機種を選択することができます。小さなものは8ピンDIPタイプからあり、40ピンDIPくらいまでが一般的です。
TekuRobo工作室では数あるラインナップの中から、電子工作で最もよく利用されている16F84A(18ピン)と16F873(28ピン)という機種を中心にお話を進めることにします。
PICの特徴的なアーキテクチャなどについては、アセンブラでプログラムを書いていく上では無視できないものですので、追々必要に応じてご紹介しましょう。
PICについて詳しくお勉強したい方は専門書や、マイクロチップテクノロジージャパンや井上誠一氏による「趣味の電子工作」のホームページなどをご覧下さい。
301−1.PICのソフト開発に必要なもの
PICもマイコンなので、他のマイコンと同じようにアセンブラやリンカ、デバッカ、ライタなどのソフトウエアツールと、プログラムを書き込むためのハードウエアが必要になります。
今回は、以下のツール類をそろえてみました。
■1.統合開発ツール MPLAB Ver5.40
マイクロチップテクノロジー社が無償で提供している統合開発環境ツールです。内容的にはテキストエディタ、アセンブラ、リンカ、デバッカ、そして各PICのレジスタ設定を登録したインクルードファイル類なども全て揃っています。後ほどダウンロードやインストール方法をご紹介します。
■2.ライタボード 秋月AKI-PICプログラマ Ver3 キット
秋月電子通商オリジナルのプログラマキットです。MPLABで実際にPICに書き込むことができるプログラムデータ(ヘキサファイル)を生成しますが、そのヘキサファイルをPICに書き込むためのライターソフトとライター基板がセットになっています。マイクロチップ社のCD−ROMなども付いて6700円で販売されています。
実は力弥がこのセットを購入したのは、既に1年以上前になります。現在のHPを見てもVer3と明記されているので、多分変わらないと思います。
以上の2点と、パソコンとの接続を行なうシリアルケーブルがあれば環境は整います。18F84AのPICなら、秋月PICプログラマキットに1個付いてきます。
■開発環境の全体像は、以下のような感じになります。

開発用パソコンのシリアルポートとPICライタ基板を接続して、PICライタソフトでダウンロードします。プログラムを書き込んだPICはライタ基板から取り外して、ターゲットとなる基板に付け替えて使用します。18F873などは2ピンよるインサーキットシリアルプログラミング機能がついている様子なので、ターケットの基板に実装したままプログラムの書き換えやデバッグが可能だと思います。(その辺はまだ勉強不足ですので、次の機会に譲ります)
301−2.統合開発ツールMPLABを入手する。
MPLABは、マイクロチップテクノロジー社のホームページからダウンロードすることができます。2001年11月の時点での最新版はVer5.40になり、以下のURLからダウンロードできます。
http://www.microchip.com/1010/pline/tools/picmicro/devenv/mplabi/index.htm
ただし、後々このURLが変更される可能性もありますので、その場合はマイクロチップテクノロジージャパンのホームページから辿っていった方が分かりやすい思います。現在では、以下のようなリンクになります。
ダウンロードに成功すると、以下のようなファイルが保存されているはずです。
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301−3.MPLABをインストールする。
MPLABのインストールは簡単です。ダウンロードしたファイル(今回のバージョンではmpl540ful.exe)を実行して素直に進めればインストール作業は問題なく終了すると思います。
ライセンスの問題や、ユーザー登録、パスワードといったことは一切必要ありません。
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インストールしたらMPLAB.EXEを実行してみます。左図のような画面が出たらMPLABのインストール作業は成功です。 |
301−4.秋月AKI-PICプログラマ Ver3 キット
AKI-PICプログラマキットは、秋月電子通商の通販か店頭で購入できます。6700円で以下の内容がセットになっています。
■1.PICライタボードのキット
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出来上がるとこんな感じになるキットです。
基板の右側にあるレバー付きのソケットに、8ピンから40ピンまでの所定のPICを挿し込んで、プログラムを書き込みます。
16F84(18ピン)、12C509(8ピン)のPICが各1個と、10MHzのコンデンサ内蔵セラミック発振子が付属されてきます。
しっかりしたプリント基板で、部品点数も少ないため、組み立てには、まず失敗することはないでしょう。 |
電源には、AKI-H8開発ボードで利用しているものがそのまま利用できるはずです。力弥は利用しやすい電源コネクタを勝手に取り付けました。
また、パソコンとの通信コネクタについてはAKI-H8開発ボードはDsub-25ピンタイプでしたが、こちらはDsub-9ピンタイプになっているため、同じモデムケーブルを利用しようとすると、変換アダプタが必要になります。
■2.PICプログラマCD−R
このCD−Rには、DOS版のアセンブラ、シミュレータおよびライタソフトと、Windows版のライタソフトが入っています。今回はWindows版のライタソフトだけを利用します。
■3.マイクロチップテクノロジー社CD−ROM
マイクロチップテクノロジー(USA)社のホームページの内容の全てが収録されたようなCD−ROMです。なので、MPLABなどの開発ツールや、各種PICのデータシートなどが収録されています。
ただし、力弥が購入した時点では2〜3年前の内容のCD−ROMでした。最近はどうか分かりませんが...。MPLABなどのバージョンが古い場合は、先にご紹介した方法でダウンロードすることをお勧めします。
■4.取扱説明書
キットの組み立て方や、ライターソフトの使用方法、そして対応するPICへの書き込み方法などが説明されています。
301−5.Windows版ライタソフトをインストールする。
PICプログラマCD−Rの、WINというフォルダのなかにSETUP.EXEがあるので、それを実行するとインストールが開始されます。これも素直に進めば何の問題も無くインストールが終了するはずです。
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インストールしたら、PICPGM.EXEを実行してみます。左図のような画面が表示されたら、ひとまずインストールは成功です。
ライタソフトは、以下の秋月の以下のWebから最新版がダウンロードできますのでチェックして下さい。ただし、製品版がインストールされていないとバージョンアップしても動作しません。 http://village.infoweb.ne.jp/~update/taka/pic_pgm/pic_pgm.htm |
301−6.対応するPICデバイスについて
AKI-PICプログラマ Ver3 では、以下のPICデバイスに対応するようです。付属の取扱説明書から転載します。
| デバイス型名 | 備 考 |
| PIC16C84 , F84 , F84A , F83 | EEPROM内蔵 |
| PIC16C54 , 55 , 56 , 57 , 58 | PICマイコンの基本モデル |
| PIC16C62 , 63 , 64 , 65 | PWMモジュール内蔵 |
| PIC16C71 , 72 , 73 , 710 , 711 , 74 , 77 | 8ビットA/Dコンバータ内蔵 |
| PIC12C508 , 509 | PIC最小の8ピンマイコン |
| PIC16F873 , 874 , 876 , 877 | 最新のA/D内蔵EEPROMマイコン |
以上、PICのソフトウエア開発環境について簡単にご紹介しました。
MPLABを使ったソフトウエア開発手順や、PICPGMライタソフトの利用方法については、井上誠一氏による「趣味の電子工作」で、とても分かりやすく説明されていますので、詳しくはそちらを参考にして下さい。
TekuRobo工作室ではその辺を手抜きさせて頂き、基本的なプログラミングについてご紹介していきたいと思います。
更新 2001.11.27 ピックライタバージョンアップ情報追記