【キリのコメント25】
二人の息子が国譲りを認めたのを受けて、オオクニヌシも国を譲るのを同意し
ます。
しかし、その際に、立派な宮殿を造ることを要求します。
そして、その願いが聞き届けられると、幽界に引退する旨を宣言します。
この立派な宮殿が今の出雲大社だそうです。
この話は出雲大社の鎮座縁起にもなります。
前回のタケミナカタの話は諏訪大社の鎮座縁起でもあり、この古事記にはさり
げなく各地の神社の鎮座縁起が描かれています。
(もちろん、後ほど伊勢神宮の鎮座縁起も書かれます)
本当の古事記では、この後、引退したオオクニヌシに仕えたヒコクシヤタマノ
カミ(孫櫛八玉神)のことが描かれ、古代当時の生活習慣が描かれているので
すが、物語には直接関係ないので、敢えて割愛しています。
ここで描かれている神火儀式については残念ながら割愛します。
詳しくは、講談社学術文庫をご覧ください…
話は変わって、このオオクニヌシの国譲り。
あまりにもあっけなくオオクニヌシは国を譲ってしまいます。
今まであれだけ苦労して築き上げてきた国を突然“よこせ!”と言われてあっ
さり身を引くのはおかしいですね(と私は思いました)。
なので、ここはいろいろな説が書かれている日本書紀を読んでみると…
確かに素直に国を譲っている話もあります(ここにはタケミナカタは書かれて
いません)が、一書に曰く…と別の話として、オオナムヂ(オオクニヌシの別
名)に対して、国を譲るように話すと、「それはおかしい。私がもとからいると
ころにあなたがたはやってきたのではないか。とても許すことはできない!」
と頑固として反対しています。(そうでなくちゃ!)
それに対して、オオナムヂの話は理にかなっていると、立派な宮殿をはじめ、
いろいろな好条件を伝え、その誠意に納得したオオナムヂが幽界に引退する…
という話が載っていました。
私個人としては、この話の方が話しに無理がない気がします。
そして、国を譲られたニニギノミコトは、オオナムヂを祭ることも最後に付け
加えています。
やはり、古事記と日本書紀を両方見比べるとまた違ったものの見方ができてお
もしろいですね。
これからもできるだけ日本書紀との違いを紹介できればと思います。
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