<第61話 オホヤマモリとオホサザキ>

 応神天皇には三人の息子がいた。
 上からオホヤマモリノミコト(大山守命)、オホサザキノミコト(大雀命)、ウ
 ヂノワキイツラコ(宇遅能和紀郎子)である。

 あるとき、応神天皇は、オホヤマモリとオホサザキに問いかけた。

 「お前たちは年上の子と年下の子ではどちらがかわいいと思う?」

 まず、長兄のオホヤマモリが答えた。

 「年上の子がかわいいと思います」

 オホヤマモリが答える姿を見たオホサザキはこう考えた。

 (父上は、ウヂノワキイツラコを後継者にしたいのではないか?)

 そう思った、オホサザキは父である天皇の意向に逆らわないようにこう答えた。

 「年上の子はすでに大人になっているのでそれほど気がかりもありません。し
  かし、年下の子はまだ大人になっていないので、こちらのほうがかわいいと
  思います。

 オホサザキの言葉を聞いて小さくうなずく天皇。

 「うむ、オホサザキよ。そなたが行ったことはわしの思っている通りだ」

 この発言を踏まえて、応神天皇は、三人の子の任務を与えた。

 「オホヤマモリよ、そなたは山と海の部を管理しなさい。オホサザキは私の統
  治する国の政治を執行して報告しなさい。ウヂノワキイツラコは皇位を継承
  するように」

 こうして、次男オホサザキは応神天皇の意に背くことはなかった。

 <参考文献>

 講談社学術文庫:古事記(上)全訳注(次田真幸) 

 +++++++++++++(編集後記)++++++++++++++++
 皆さん、こんにちは。
 キリです。
 
 この話は日本書紀には書かれていません。
 後で起こるオホヤマモリの謀反の伏線になるお話だそうです。

 ところで、応神天皇ですが、日本人には非常になじみ深い神だというのをご存
 知でしょうか?

 八幡神社というのが全国各地にございます。
 源氏の棟梁、源義家が元服したのが岩清水八幡宮。
 この八幡神社の祭神が「応神天皇」なのです。

 弓矢の神でもあったので、特に武家の崇拝を集めていたのでしょう。
 神紋は「三つ巴」です。

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