===================================
 日本の原典〜古事記物語〜第75号2005年2月22日発行
 ===================================

 <第75話 悲劇の始まり>

 カルノミコが島流しになった後、アナホノミコは天下を治めた。
 
 「根臣よ、今から叔父上のところに使いにいってくれ」

 「かしこまりました」

 天皇になったアナホノミコは父、允恭天皇異母弟、オホクサカノミコ(大日下
 王)のもとに使いをやった。

 「天皇からのお言葉を伝える」

 「謹んでお受けいたします」

 「安康天皇はあなたの妹であるワカクサカノミコ(若日下王)を天皇の弟、オ
  ホハツセノミコ(大長谷王)と結婚させたいと考えておられますので差し出
  すようにとのことでございます」

 すると、天皇の叔父であるオホクサカは四度も拝むという丁重な礼をした。
 
 「そのお申し出喜んでお受けいたします。このような勅命があろうかと思い、
  妹をどこにも嫁に出しませんでした。恐れ多いことでございます。勅命に従
  い妹を差し出しましょう」

 こういうと、オホクサカは天皇の勅命を心から喜んでいるようだった。

 「大変ありがたいお話をいただきました。返事のお礼としてこの押木の玉かず
  らを天皇に献上いたします」

 (これはすごい)

 それは美しい玉かずらで根臣は心を奪われてしまった。

 (何としてもこの玉かずらを自分のものにできないだろうか…)

 天皇に献上しなければならない玉かずらを欲してしまった根臣は、都に帰る間
 中、玉かずらのことばかり考えていた。

 (そうだ! いいことを思いついたぞ。ふふふ、これでこの玉かずらは俺のも
  のだ)

 「オホクサカノミコは何といっておった? 妹を差し出すといっておった
  か?」

 「…それが」

 「ん? どうした?」

 「…実は」

 「何だ、はっきり申さぬか」

 「恐れながらオホクサカノミコは天皇の勅令を拒否いたしました」

 「な、何だと! まさか叔父上がそのようなことをいうはずがあるまい」

 「いえ、確かに申しておりました。私が勅命ですぞ、と強く申し上げたところ、
  オホクサカノミコは怒り出し、『うるさい! 私の妹を同族の者の下敷きに
  なぞさせられるか!』と言いながら太刀に手をやったので、命からがら逃れ
  て参りました…」

 「下敷きだと? 確かに太刀に手をやったのか!」

 「はい、この目で確かに。あまりの形相に腰が抜けんばかりでございました」

 「何ということだ! 勅命を軽んじるのか! ふざけおって。叔父上だからと
  いって容赦はせぬぞ」

 「いかがするおつもりで」

 「決まっておろう、殺してやるまでだ!」

 (これで玉かずらは俺のものだ!)

 「ええい、それだけでは怒りが収まらん。奴の妻も奪い取ってくれよう!」

 安康天皇は根臣の讒言をそのまま信じ、オホクサカを殺し、その妻を自分の正
 妻にしてしまった。

 ここからさらなる悲劇が生まれることになる。

 <参考文献>
 講談社学術文庫:古事記(上)全訳注(次田真幸) 

 +++++++++++++(編集後記)++++++++++++++++

 皆さん、こんにちは。
 柳澤です。

 古事記物語の中でも悲劇はいくつもありますが、その中でも際立っているのが
 この物語です。

 家臣である根臣の私欲から始まる一連の悲劇。
 この物語は古事記も日本書紀も概ね同じ内容になっています。

 次回、驚愕の出来事が天皇の身に起こります。

 話は変わって、金曜日から月曜日まで4日間、上海に行ってきました!
 2度目の上海でしたが、やっぱりいいですね。

 実質2日間でしたが、中国のすごさ、おもしろさ、恐ろしさ、悲しさなどを感
 じ取ってきました。

 物価は大体1/10〜1/4くらいですね。
 カメラとかの電化製品は日本円と変わりません。
 食べ物は肉まん1個が15円くらい。
 50円もあればおなか一杯です。

 最も感じたのはサービス精神のなさ。
 いらっしゃいませもありがとうもありません。
 まだまだ日本は中国に負ける気がしません。
 
 が、サービス精神まで獲得したらかなり手ごわい相手になりそうですね。

 ファッションはまだまだいけてません。
 ついて最初に行ったホテルの受付の女性がいきなりのゲップ!

 「ゲッ!」

 って、勢いよくしてましたよ。
 おじさんだってそんな激しくは…

 さらに、エレベーターガールの口元には産毛のヒゲが…

 百貨店の店員は寒いこともあるけど、ポッケに両手をつっこんでいるし、お客
 がいるのにぺちゃぺちゃ話しているし、デリカシーとサービス精神は皆無に近
 いです。

 つばもよく吐いていましたね。

 ただ、中国も経済が発展すれば女性ももっとおしゃれにおしとやかになるので
 しょうか。

 いやぁ、行ってみるものですね。

 悪口ばかりじゃ気が引けますので、いいところを。
 やはり経済が好調だからか建設中のビルがあちらこちらにジャンジャンと。
 2010年の上海万博に向けて急ピッチで開発が進んでいます。
 
 ただ、ビルの足場が竹で組まれているのはちょっと驚きです。

 オリンピック後にどれだけ発展しているのか楽しみですね。

 あ、トイレはフランスのように公衆トイレがいたるところにありました。
 …水が出ないのもありましたが。

 少しずつ近代化が進んでいる上海でした。
 次回は、北京にも行ってみたいですね。

 戻る


 |  医食同源<体にいい食べもの>  |  週刊「孫子の兵法」  |  週刊「国宝」  |  週刊「論語」  | 
 |  織田信長一代記  |  一日一考  |  古事記物語  |  お城旅行記  |