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【週刊『国宝』】 第20号 2005年3月7日発行
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★国宝
日曜日に終了したこの唐招提寺展ですが、皆さん、ご覧になられたでしょうか?
私は土曜日にもう一度行ってみようと思いましたが、すごい混雑だったのであ
きらめました。
さて、唐招提寺展で鑑真和上座像とともに注目の国宝は、この盧舎那仏坐像で
す。
高さ3メートルにも達する巨大なこの像は、鑑真和上の弟子の義静の造立と伝
えられています。
8世紀の作品ですから、1200年前の仏像になります。
なので、損傷が激しく、後姿を見ると一部が破損しています。
それでも正面から見るその姿は神々しく、ちょっと下目使いなその表情は少し
憂い含んでいます。
その目線の先に立って見上げると、思わず懺悔をしそうになります(いや、別
に悪いことはしていませんが…)。
裁判所などにこの盧舎那仏坐像を置き、その目線の先に被告人と立たせたら、
罪を告白しそうです。
それはさておき、この盧舎那仏坐像は華厳経に言う「蓮華蔵世界」の教主で、
あの東大寺の大仏様もこの「盧舎那仏坐像」なのです。
続いて、帝釈天立像と梵天立像。
この2神は仏教の二大護法神で、2神セットで像になり、釈迦の脇に立ってい
ることが多く、須弥山の頂上・トウ利天に住んでいることになっています。
まずは、帝釈天。
寅さんの葛飾柴又にあるのが帝釈天です。
バラモン教・ヒンドゥー教の神インドラと同一の神で、四天王を配下に持って
います。
もともとは神の中の神と呼ばれる存在だったのですが、ブラフマー、ヴィシュ
ヌ、シヴァの三貴神にとって代わられ、その後仏教に取り入れられたそうです。
次に梵天。
伊達政宗の幼名が梵天丸。
梵天は古代インドの神ブラフマーが仏教に取り入れられたものです。
ブラフマーとは、ヒンドゥー教の創造神で、ヴィシュヌ(維持神)、シヴァ(破
壊神)とともに三大神の1人に数えられています。
ただ、帝釈天と比べると「万物の根源」という漠然としたものを造形化した神
ゆえに、親しみがわきにくかったのか、インドでも日本でも梵天に対する民衆
の信仰はあまり高まらなかったようです。
ちなみに、シヴァは七福神の大黒天になっています。
唐招提寺の梵天、帝釈天は、りりしい顔立ちで、気品にあふれています。
ちょっとぶっきらぼうにも見えますが、それがまた重厚さを増し、貴い雰囲気
を醸し出しているといえるでしょう。
最近は韓国四天王が流行っていましたが、日本でも大人気のこの四天王。
徳川四天王とか○○○サッカー部の四天王なんて身近なところでも使用されて
いますね。
この四天王。
仏教界では、誰を指すかいえる方はどのくらいいるでしょう?
四天王とは、帝釈天に仕え、東西南北をそれぞれ守護する四天のことで、
・持国天(東)
・増長天(南)
・広目天(西)
・多聞天(北)
の4人の神です。
なぜ、帝釈天に仕えるのかは知りませんが、かの上杉謙信が崇拝し、七福神の
一人にでもある毘沙門天は、多聞天のことでもあります。
と、非常に長くなったので、そろそろ終えますが、唐招提寺展でもこの四天王
は四隅に展示され、それぞれ特徴のある姿をしています。
ただ、顔立ちは同じでも、表情やポーズ、持っている道具などはそれぞれ違い
特徴的です。
ユーモアたっぷりに踊っているような四天王もいます。
ぜひ、その目で楽しんできてください。
とこのメルマガを先週発行しようとしていたのに忘れており、すでに特別展は
終了してしまいました。
修復作業が終わる2010年以降が楽しみですね。
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