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【週刊『国宝』】 第22号 2005年4月7日発行
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【制作年代】
622年ごろ
【製作指示者】
橘大郎女(聖徳太子妃)
【分類】
刺繍
【どこにある?】
【感想】
奈良にお住まいの方!
もしくは、近畿地方にお住まいの方!
または、近々奈良に観光に行こうとしている国宝好きの皆さん!
急いでください!
今しか見ることができない、もしかしたらもう見られないかもしれないお宝(国
宝)が奈良は中宮寺に展示されています!
今、中宮寺に行くと、
「現在、本尊である弥勒菩薩半跏像は東京国立博物館に貸し出しのため、レプ
リカが展示されています」
という看板が入り口に書いてあり、これを見た観光客はがっかりして中に入ら
ずに帰ってしまいます。
しかし、待ってください!
そのまま引き返すのはもったいないです!
・・・って、めちゃめちゃテンションが高い状態で書いていますが、なぜにこ
んなに興奮しているかというと、弥勒菩薩の変わりに、中宮寺が誇るもう一つ
の国宝
「天寿曼荼羅刺繍」
の“実物”を見ることができるのです!!
昔は無造作に展示されていたこのお宝は、今は保存を考え、奈良国立博物館に
保管されて、通常はレプリカが展示されています。
聖徳太子が亡くなったことを追慕して、妃の橘大郎女が女中に命じ、太子が住
生した天寿国という理想浄土のありさまを刺繍したものです。
太子が亡くなったのが622年と言われていますから、約1400年も前に作られ
たものです。
1400年ですよ!
よく今まで残ったという驚きと、カラフルで立体的で鮮やかな刺繍は、とても
1400年も昔のものだと思えません。
もちろん、太子自身も刺繍されています。
半分は鎌倉時代に複製されたものが合わさっているようですが、鎌倉時代とい
えば800年前。
ただもうビックリですね。
物持ちがいいという次元を超えています。
なので、痛みも激しく、きちんと空調や温度調整をしないと痛んでしまい、
良好な状態が保存できないということもあり、現在は奈良国立博物館に保管さ
れ、通常は見ることもできません。
そんなお宝の現物がなぜ見られるかというと、本尊の弥勒菩薩が東京国立博物
館に貸し出されるにあたって、その時期に中宮寺を訪れた観光客に申し訳ない
ということで、奈良国立博物館から弥勒菩薩が東京に貸し出されている間だけ
特別に実物を展示しているということになったのです!
つまり、この刺繍を見れるのは、本尊の弥勒菩薩がいない今だけ。
気になるその期間を中宮寺に確認したところ、5/13までだそうです(一応電話
で確認してください)。
2005年5月13日までしか見られないこの「天寿国曼荼羅刺繍」。
幻のお宝といっても過言ではなく、見られたことの幸運で、ついつい興奮して
しまうのもご理解いただけるかもしれません。
本尊弥勒菩薩はある意味いつでも見ることが可能ですが、この「天寿国曼荼羅
刺繍」はあと1ヶ月くらいしか見ることができないのですよ!
聖徳太子由来のこの国宝。
1400年前という歴史あるお宝でもあり、一級の美術品でもあります。
興味のある方は中宮寺を訪れてみたらいかがでしょうか。
きっとご満足いただけると思います。
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