第44話 信長、将軍より感状を受ける
「お館様、義昭様は感状に何とかいてきたのですか?」
「ああ、あの感状か」
時は、永禄11年(1568)10月24日。
足利将軍、義昭から感状が届いた。
「この国の悪者をまたたく間に退治したわしの武勇は天下第一だと書いてあっ
た」
「それは祝着至極」
「さらに、当将軍家の再興ができたのもすべてわしのおかげだという」
「全く持ってその通りですな」
「そして、ますます国家が安らかに治まるように、わしの力にすがりたいと書
いてあったわ」
「それはすごい」
「手紙の最後にはわしのことを御父と書いてあったぞ」
「お館様の実力は将軍家も認めるところとなった訳ですな」
「あぁ、だから、わしの忠孝に対して、将軍家の家紋である「桐紋」と「引両
筋」の使用を許可するとある。それがわしの軍功に対する当然の祝儀とな」
「なんと、朝廷より将軍家が拝領した桐紋と、足利家伝来の引両紋の使用を認
められたのですか! 祝着至極でございます。まさに、将軍家を保護する父
親的存在だと認められた訳でございまするな」
「あぁ、これで天下布武への道のりも早まるというものだ」
10月26日には信長は近江の守山まで下がった。
27日には柏原の上菩提院に泊まった。
そして、28日には美濃の岐阜城に戻った。
<参考文献>
ニュートンプレス:信長公記(太田牛一:原著 榊原潤:訳)
角川ソフィア文庫:信長公記(奥野高広、岩沢愿彦 校注)