第49話 関所の廃止
「おい、信長様から出た布告を知っているか?」
「あぁ、今後関所を廃止するというやつだろ」
「本当にありがたい話だ。これからは他国に行く場合に、関銭を払う必要がな
くなるのだからな」
「さすが信長様よ」
信長は伊勢の国を平定後、往来の旅人の長年の悩みだった関所を廃止した。
「民はみな喜んでおりまする」
「そうか」
10月5日、伊勢平定後、信長は宇治山田へ行って伊勢神宮に参拝した。
「こちらが内宮でございます」
「うむ」
伊勢神宮の内宮、外宮、朝熊山に参拝し、翌日は小作に宿泊した。
8日、伊賀上野の城に移り、軍兵を収めた。
「茶筅丸を大河内城の城主にいたす」
「ははっ」
「なお、津田掃部助は茶筅丸付にいたす。茶筅丸を頼むぞ」
「畏まって候」
「滝川はおるか」
「ここに」
「そちは、伊勢平定の功績より安濃津、渋見、小作を与える」
「ありがたき幸せ」
「この上野の城は上野守(織田信包)に任せる。」
「ははっ」
「皆の者、ご苦労であった。ここで軍は解散する。めいめい気をつけて領地に
戻るように」
こうして伊勢支配の指示をした後、信長は馬周りだけを供に京都に向かった。
「山中はひどい雪です。今晩はここでご宿泊を」
9日千草まで進んだが大雪のため千草で宿泊。
10日は近江の市原で宿泊。
11日に京都に入る。
「無事、伊勢国を平定して参りました」
「ご苦労」
京都に入った信長は、さっそく伊勢国平定を将軍、義昭に報告した。
その後、4、5日京都の政務をこなした後、10月17日、美濃の岐阜に帰った。
<参考文献>
ニュートンプレス:信長公記(太田牛一:原著 榊原潤:訳)
角川ソフィア文庫:信長公記(奥野高広、岩沢愿彦 校注)