第74話 義昭和睦す

 「堂塔寺庵を除いた都の郊外に火をつけよ」

 4月3日、信長は義昭に和議に使者を再度送った。

 「どうだった」

 「義昭公はお館様の和議をお受けいたしませんでした」

 「…そうか」

 「いかがいたしまするか?」

 「いたし方なし。かくなる上は容赦せぬ」

 翌4月4日、信長は義昭のいる二条城を包囲した。

 「上京を放火せよ」

 「はっ」

 信長が二条城を完全に包囲しているのを知った義昭は最早謀反どころではなか
 った。

 「おぉ、上京が燃えておる! の、信長は本気だ。た、武田の援軍はまだか! 
浅井、朝倉は何をしておるのだ!」

 「何の連絡もございません」

 「細川、荒木も信長に寝返った…。最早支えることもできぬ…」

 「かくなる上はご覚悟を…」

 「…いやだ、まだ死にたくない。そうだ! 今からでも遅くない。信長に和議
  の使者を送るのだ」

 「…かしこまりました」

 こうして、生命の危機を覚えた義昭は信長に和議の使者を送った。

 「義昭から和議だと。そんなもの認めん!」

 「しかし、帝からも和議をするよう勅命をいただいておりますが…」

 「帝からか。ううむ、では、仕方ない。和議を認めよう。三郎五郎(織田信
  広)、おぬし、わしの代理として義昭のもとに行き、和議成立のあいさつに行
  ってくれ」

 「かしこまりました」

 こうして、信長と義昭の和議は成立し、信長は4月7日には帰陣した。

 <参考文献>

 ニュートンプレス:信長公記(太田牛一:原著 榊原潤:訳)
 角川ソフィア文庫:信長公記(奥野高広、岩沢愿彦 校注)
戻る


 |  医食同源<体にいい食べもの>  |  週刊「孫子の兵法」  |  週刊「国宝」  |  週刊「論語」  | 
 |  織田信長一代記  |  一日一考  |  古事記物語  |  お城旅行記  |