皆さん、こんにちは。
霧隠です。
書いているうちにものすごく長くなってしまいました。
お城のことというよりも、その過程のどちらかというと山歩きのレポートになっ
ております。
あまり参考にはならないかもしれませんので、ご了承ください。
今まで何度も山城を攻略してきました。
標高1200mの山城も比高600mの山城もふもとから2時間かけて登った山城も
ありました。
しかし、今回は特別です。
距離は3.5キロ。
しかも、道は無し。
今までの山城めぐりは全然甘ちゃんでした!
だって、道があるんですもん。
今回最も苦労したのが道がないこと。
ハイキングコースはもとより、獣道さえないのです。
前が完全に見えない高さ2mにもなるヤブの中を進むのです。
ヤブ漕ぎとは、ひざくらいのヤブを手で払って進むのですが、ここはヤブの海。
ヤブの中を泳いでいかなければなりません。
というか、おぼれそう。
途中、イバラがさりげなくあり、しかも、ひざから下にこっそり生えているイバ
ラが足にまとわりつき、ズボンにでっかい穴を数カ所あけていたのにはビックリ
です。
もちろん、足は傷だらけ。
さて、道無き道を進むことになったのですが、お時間のある方は、こちらの国土
地理院の地図1、地図2ダウンロードして、見て見てください。
さて、地図でいうと、右下にある山が「行市山」です。
ここから尾根伝いに北から右20°くらいの方向にあるのが「玄蕃尾城」です。
北
玄蕃尾城
凸
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凸
行市山砦
距離にして大体3.5キロくらいです。
地図を拡大していただければよく分かりますが、等高線が入り組んだ非常に分か
りにくい道です。
さて、地図と方位磁石を持って、いよいよ目指せ! 玄蕃尾城。
まずは方位磁石をもとにまっすぐ北に向かいます。
合言葉は北に北に! です。
5分後。
・・・ちょっと北東に向かっているような。
10分後。
・・・ん? 完全に針は「東」を差しています。
* 方位磁石なので針はずっと北を指しています。なので、針をもとに進行方向が
分かります。
図に書くとこんな感じ。
進行方向
↑
東
北←——
進行方向に針が向いていなければならないはずなのに、進むこと10分で真東に
むかっているぅ!
いきなり道を間違えました(^^;
あの尾根だぁ!
その尾根は隣の尾根であきらかに北にむかって伸びています。
しかたないけど来た道を戻って隣の尾根に向かいます。
地図を見ると、行市山の頂上すぐの近くに北に向かう尾根が描かれております。
そこは・・・
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北←||||
||||
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ヤブの中でした(−−)
普通はそこに道があるとは思えない草薮です。
(いや、本当になかったんですが)
方向は合っている。
地図もこのヤブのむこうに尾根が描かれている。
仕方ない、いくべか。
ガサゴソゴソ
ガサガサ
ふぅふぅ
ガサゴソガサ
ふぅふぅ
ガサ
・・・いつまで続くのだろう。
ヤブに入ること10分。
だんだんヤブが険しく、深くなってくるのは気のせいか?
ついに自分の身長を越えるヤブが前の前に立ちふさがります。
ヤブに入ること20分。
まだまだ先は長いのにぃ。
ガササッ
ゴッソ
アウチ
イバラを踏んづけました。
道がない登城がこんなにきついとは。
それも30分も続くとさすがに閉口いたします。
いつまで続くのだろうと思ったそのとき、急に下草が刈り取られた空間に出てき
ました。
助かったぁ〜と思い、しばし、下草を刈られた道を歩くこと5分。
なんか変だ!?
すかさず方位磁石を見たら、東に向かっているようです。
また、隣の尾根を下りるところでした。
む〜、さっきも歩きやすい道が実は違う道。
こ、これは柴田軍のわななのかっ!
再度地図を確認して正しい玄蕃尾城へのルートに戻ります。
ヤブの中に逆戻りです。
ふぅ
ちょっと不安になってきたので、笛もならします。
さて、すでに1時間たちました。
あまりのヤブの深さで進軍スピードは遅くなり、尾根を間違いながらの行軍で、
現在位置がいまいち自信が持てないながらの行軍。
ちょっと広いヤブの広場に出てきました。
尾根は2つに分かれています。
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微妙に北西のコースと北東のコース。
多分、北東だと思うけど・・・
・・・こんなんばっかりです。
等高線が分かりにくいよぉ。
それでも地図と方位磁石を頼りに(多分)こっちと進みます。
さらに進むこと30分。
行市山砦からすでに1時間30分たちました。
ときは11時。
道がなくなり大きな谷がこんにちは!
・・・ガーーン。
下は絶壁。
道がなくなっている。
な、なんてこったい。
しばしボーゼン
あれ?
道を間違えた?
ということは予想と違う??
ていうことは遭難!?
人は予想と違う現実を目の当たりにするとその現実を受け入れられないという。
まさにそんな状況に陥りました。
すぐに4人そろい軍議開始!
あーでもない、こーでもないと地図とにらめっこすること約10分。
どうやらすぐ手前の尾根を間違えたことが判明。
すぐさま隣の尾根に向かうことに。
危ない、危ない。
すでに11時半になっていたので、どこにいるのか微妙に分からないですが、昼
食をとることに。
一体どこにいるんだぁ〜
無事に玄蕃尾城に行けるのかぁ〜
これ以上道を間違うわけには参りません。
今まで携帯することも、見ることもなかった方位磁石を何度も確認しながらの行
軍が続きます。
北
↑
|
●
|
↓
コンパスの北を指す姿がまぶしく、本当に頼もしく感じました。
ずんずん進むうちに、ヤブが段々なくなってきました。
そして、植林をするために下草が刈られ、歩きやすい道が(やっと)出現します。
ここで大きく距離をかせぐことができました。
左側に谷を見ながらの行軍なので、最早道を間違う心配もなくなりました。
進軍開始3時間にして、現在位置が段々わかってきました。
視界も開けてきて、向こう側の山々が見えます。
あ! あれが玄蕃尾城では!?
ついに(まだまだ遠いですが)玄蕃尾城らしき山が確認できたのです!
よ、よかったぁ〜
皆であの山が玄蕃尾城だよなぁとしばし感慨深く眺めていました。
しかし!
安心して玄蕃尾城を目指すこと5分。
なんだか歩きやすい道に一抹の不安がふつふつと。
・・・歩きやすい?
・・・今まで歩きにくかったのに。
・・・今まで3度ばかり歩きやすい道から迷子になりかけていたのに。
そう、またあやうく隣の尾根を降りるところでした。
この尾根を降りていたら、かなぁ〜り大きく迂回していまいます。
最後の最後であやうくわなにひっかかるところでした。
行市山砦→玄蕃尾城コース。
油断のならないコースです。
こうして遭難の危険ばかりかきましたが、前回も書いたようにクマの危険も絶え
ず考えながらの行軍なので、どうしても遅くなりがち、
ピーー
という笛の音が鳴り響き、
パパーン
というクラッカーも忘れてはなりません。
もう1度書きますが、このコースを一人で行くのは非常に危険です。
で、できれば道ずれ・・・もとい、方向感覚のすぐれた、地図の読める同行者と
行かれることをおすすめします。
(某は結局全然地図が分かりませんでした・・・)
最後のわなにも引っかからず、玄蕃尾城へ向かいつづけます。
尾根が急な下り道になりました。
すでに3時間半たっています。
一体いつになったらつくのだろう。
と思っていた矢先。
・・・ガヤガヤ。
ん? なんだか人の声が。
・・・ワイワイ。
あ、やっぱり人の声だ!
おぉ〜い!
向こうも気づいたようです。
ひ、人がいるということは・・・
思わず駆け下りてしまいました。
そして、ついたその場所は、
「→玄蕃尾城」という看板と見なれた登城口。
やった!
ついについた!
ていうか、よかった〜
3.5キロの道のり。
しかも道はなし。
方向も分からない。
クマにも出会うかも。
ヤブもすごかった。
きつい
きたない
危険
の名に恥じないまさに命がけの3Kオフ。
約4時間かけて行市山砦から玄蕃尾城まで無事にたどりつきました。
途中間違えそうになるも大きなロスもなく、ついたことにビックリ。
地図の読めない某は(実は)日暮れまでにつけばええやと思っていましたが、こ
うして無事つくと今までの苦労が報われた気がして本当に感無量でした。
不安の方が強かったですが、こうして振りかえるとものすごい貴重な経験をした
ような気がします。
結局ヤブがすごくて柴田軍の軍用道のことは分からずじまいでしたが、こんな苦
労をしてまで連絡をしたのかどうかちょびっと疑問。
(もちろん、ちゃんと軍用に下草を刈ってあったのでしょうが)
というか、こんなに前線と離れた勝家公はやる気がないのでは、と思ってしまい
ます。
長期戦を考えていたといわれても納得です。
玄蕃尾城自体、空堀や土塁もすばらしく、立派な山城として機能しています。
それとは別にふつーに整備された道がこんなにもありがたいのか、と思ったのも
いい経験でした。
ものすごく長くなってしまいましたが、これが行市山砦から玄蕃尾城までの行軍
報告になります。
・ ・・でも、実際の臨場感は歩いてみないと分からないでしょうが、今度もちゃ
・ んと行けるかは自信無し(−−)
とにかくすごい無謀にして無茶な企画だったことは“体験”できたと思います。
皆さん! あまりにも危険なので、くれぐれもマネはされないでくださいませ。
それでは、長々とすみませんでした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
最後にご一緒したYさんの報告HPもご紹介したいと思います。
「近江の城郭〜賤ヶ岳の戦いの軍道を歩く〜」