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【週刊 孫子の兵法】 第10号
「2 作戦篇 4.勝ってさらに強くなる」
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故ニ敵ヲ殺スモノハ怒ナリ。
敵ノ利ヲ取ルモノハ貨ナリ。
故ニ車戦して車十乗己上(いじょう)ヲ得レバ、ソノ先ズ得タル者ヲ賞シ、而
シテソノ旌旗(せいき)ヲ更(か)エ、車ハ雑(まじ)エテコレニ乗リ、卒ハ
善(よ)クシテコレヲ養ウ。
コレヲ敵ニ勝チテ強ヲ益(ま)スト謂ウ。
故ニ兵ハ勝ツコトヲ貴(たっと)ビ、久シキヲ貴バズ。
故ニ兵ヲ知ルノ将ハ、生民ノ司命、国家安危ノ主ナリ。
<解説>
味方の兵に敵兵を殺させるためには怒りを利用しなければならない。
敵の物資を奪わせるためには褒章を与えねばならない。
だから、敵の戦車を10台以上奪う功績があった場合には、まっさきに手柄を
立てた兵を表彰する。
そして、手に入れた戦車はすぐさま旗を変えて、味方の兵を乗りこませ、捕虜
にした敵兵は手厚くもてなし、自軍に編入する。
これを勝ってさらに強くなるという。
だから、戦争に勝つことを貴び、長期戦に陥り消耗するのを貴ばない。
そして、戦争を熟知した将軍は、国民の生死、国家の安危を担うのである。
<解説>
怒りは人を駆り立てる。
とはいえ、会社で社員や部下に殺す気で行けとはいえないだろう。
やってやる! という意欲をどう引き出すか。
孫子では、信賞必罰の、信賞。
つまり、褒章金の支給と、功績を表彰することの重要性を述べている。
お金も出さず、ほめもせずして、どうしか部下がやる気を出すというのか。
また、勝ってますます強くなるというのは、顧客が増えるだけではなく、敗れ
た相手企業の人材を引き抜くこともできるから、さらに強くなるということで
もある。
そして、ここでも、戦争は勝たなければならないし、長期戦はいたずらに消耗
するだけであると述べている。
そして、競争に勝つことができる人材こそ、会社の命運を担う人材だとも言っ
ている。
【参考文献】
『孫子の兵法』 守屋洋 三笠書房