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お城旅行記 第23号 2002年11月4日発行 (発行部数 1110部)
「常山城物語」
第3話 常山城の縄張り編
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皆さん、こんにちは。
霧隠です。
さて、いよいよ常山城に登ります。
比高305mの常山城。
元気一杯ならば喜んで、ふもとから登るところですが、2日前のしまなみ海道8
0キロサイクリングで青息吐息の某はさすがにふもとから登る元気もありません
でした。
でしたので、(仕方なく)美作さんのお車で本丸付近まで参りました。
そう、この常山城は(残念ながら)車で頂上付近まで車で行けるのです。
歩くのが苦手な方でも十二分に楽しむことができる山城。
それが常山城です。
さて、ふもとから車で10分ばかり。
栂尾二の丸が駐車場になっております。
車は10台ほど止められるでしょうか。
さっそく城内を探索します。
常山城は、総延長約300mにわたる城郭施設が構築されています。
図に書くとこんな感じです。
栂尾丸
栂尾二の丸(駐車場)
青木丸
天神丸
北三の丸 惣
惣 門
北二の丸 矢 門 丸
東 東 矢 竹 ニ
本丸 二 三 竹 ニ の
の の の の 丸
兵庫丸 丸 丸 丸 丸
まずは、栂尾二の丸から栂尾丸へ向かいます。
ここには現在NTTの鉄塔が建っています。
その下には草に隠れながらも見事な石垣が隠されています。
高さは3mほどあるでしょうか。
下津井城に大部分石垣を持っていかれたとはいえこれだけ残っているのは、素敵
です。
栂尾丸
あぁ、栂尾丸
おぉぉぉ、栂尾丸
み、見事な風景ありがとう!!
これほどの景色は久しぶりです。
あまりの美しさにしばし呆然、すぐにうっとり。
ブワーと目の前に広がる大平原。
270度見渡す限りの平野はエメラルドグリーン。
緑のパノラマ風景が目の前に展開されているのです!
あまりの美しさに普段、カメラを持ち歩かない某もこの美しさを皆さんにお伝え
したく、同行してくださった美作さんに無理にお頼み申し上げ、このパノラマ風
景をデジカメに撮っていただきました。
http://homepage1.nifty.com/tosyo/tuneyama2.html
(撮影者:美作さん)
ブ、ブラボーなうつくしさ。
しかも遠くに岡山城も確認できます。
見下ろす平野のあまりの美しさに立ちすくみ、じーっとみとれてしまいました。
この世のものとは思えない美しさを目に焼きつけ、いよいよ本丸を目指します。
青木丸、天神丸、北三の丸と進んで、北二の丸に。
ここに史上有名な常山城女軍の墓碑が建っています。
二の丸のすみっこにひっそり建っている墓碑は、鶴姫を中央に左右側面に17基
ずつ女軍の墓が並んでおります。
全てのお墓には花がたむけられ、今でも地元の方に大事にされているのがよく分
かります。
本丸への階段を登ると一面・・・草ボーボーです。
なんだかいきなり未開の地についたかのよう。
結構広い本丸なれど、草が生い茂っているので、なんだか狭く感じます。
しかもすみっこには怪しげな展望台もありまする。
うっそうと繁ったヤブのなかにひっそりとある姿はなんだかおどろおどろしく、
そうだ、ここで城主はじめ、多くの一族が自刃した場所なんだ・・・と思うとあ
まりじっとしているのが怖くもなります。
でも!
ここも景色は抜群です。
遠くには瀬戸内海も見え、なんと四国も見えるんです!
それもかなりはっきりと。
一際ぽっこりそびえる山は飯野山。
通称、讃岐富士。
児島富士から見る讃岐富士はなかなかの見ごたえ。
遠く四国山脈までうっすら見えるこの風景。
思わず笑みがこぼれてきます。
当然視線の真中には瀬戸内海が悠然と存在しています。
海の向こうの四国まで見えてしまうなんて、なんてぜいたくなんでしょう。
さすが児島富士。
見晴らし最高です!
見とれること10数分。
時間を忘れてただぼーっと見とれておりました。
とてもここで凄惨な合戦があったとは思えないほどのすばらしさ。
この景色だけでも来てよかったと思えること間違いなしです。
さて、この常山城。
L字型の縄張りになっており、二の丸、三の丸が北と東でそれぞれあります。
この曲輪は段々になっており、図に書くとこんな感じ。

ええ感じです。
いかにも山城って感じのするお城です。
200名という小人数でなければたやすく落ちない名城だというのが分かります。
曲輪はヤブと竹やぶがすごいので、あまり探索できませんが、結構広く、なかな
かの規模。
上の図のように段々の曲輪は攻める側にとっては攻めにくいものでしょう。
一つ一つ曲輪を降りていくのですが、矢竹二の丸で、その名の通り、竹が一杯生
えており、外側の道が行き止まりに。
仕方ないので、そのまま曲輪を直接降りようとしたら・・・

ん? 石で作られた仏様が通せんぼ!?
さ、さすがに仏様を乗り越えて下の曲輪へ行けないので、あきらめることに。
そ、惣門ニの丸へは行けないのかぁ・・・
あぁ・・・
仕方ないので、来た道を戻り、駐車場のある栂尾二の丸へ帰り、もう一度例のび
ゅーてほーな栂尾丸の景色を堪能し、車で下山することに・・・
「←井戸跡へ」
ふとこんな看板が目に飛びこんでくる。
「ス、ストーップ! お、降りてもええですか?」
そそくさと車から降りると、細い道があり、井戸跡へ行ける道があります。
栂尾二の丸からすぐ下のカーブにあります。
そこをてくてく歩いていくと・・・
曲輪に出ます。
もしかして・・・
と思い、その曲輪の上に向かって進んでいくと、やっぱり竹やぶが前を防いでい
ます。
ということは・・・
今度は下の曲輪へ向かいます。
突然目の前がぱーっと広がります。
そう、ここは惣門丸。
一番下の曲輪になり、栂尾丸のような眺望を楽しむことができます。
ここからは、小早川軍が布陣した「麦飯山城」を眼下に見下ろすことができます。
うわさによると小早川軍は低い山に布陣するのを好んだとか。
でも、某の考えでは、上から見下ろされたら攻める方のモチベーションが下がり
そうと思いますが、どーなんでしょう。
この曲輪にはちっちゃいながらも土塁があります。
めちゃめちゃかわいい規模ですが。
風景も十二分に堪能できる惣門丸。
本丸から無理して降りてこなくても、下からすぐにたどりつけます。
さて、この惣門丸からでっかい井戸跡にもいけます。
こちらはちょっとうっそうと繁った森の中で、日が照らないからちょっとおどろ
おどろしい雰囲気の中に、ひっそりとあります。
ここには石畳もあったりしますが、どうやらこの道はふもとまで続いているよう
で、健脚な方なら30分もあれば、ふもとから頂上まで登れるようです。
元気だったら登ったのにぃ。
(しまなみ海道のダ、ダメージがぁ)
それにしても、風光明媚な常山城。
頂上や栂尾丸、惣門丸からの景色は明るく見事でまさに抜群です。
とてもこのお城で起きた悲劇の物語を知らなかったらあぁ、きれ〜で終わってし
まいそうなお城です。
あまりにも景色がすばらしかったので、また来たいと思いながら常山城を後に
しました。
次回は、海の見えるお城シリーズ、その2。
岡山県は下津井城についてご報告したいと思います。
それでは〜