男鹿のナマハゲ行事(無形文化遺産) 登録運動の有無:なし 登録の可能性評価:★★(中) 伝承地:秋田県男鹿市 |
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【無形文化遺産に登録できるか?】 ナマハゲは男鹿半島に伝わる奇習で、 昭和53年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。 この行事は毎年、 大晦日に行われますが、 最近では観光化が進み形骸化しつつあります。 しかし本来ナマハゲは、 それぞれの家に新しく加わった子供や嫁に対して共同社会の権威示すとともに、 共同体の一員であることを認め、 祝福を与えるものでした。 現在では男鹿市と南秋田郡若美町に伝わるナマハゲ行事が、 古来の特徴をよく残しているといわれます。 以前、 私は、 ナマハゲの無形文化遺産化をHPで提案したところ、 よく似た行事はほかの地域にも多く存在しているのに、 なぜナマハゲだけが世界遺産化の対象になるのかという質問を受けました。 たしかに男鹿のナマハゲに類似した行事は、 秋田県内では、 八森町から象潟町の海岸地帯に類似した行事があり、 ほかに青森,秋田,山形, 新潟,石川の日本海沿岸から、 岩手県や宮城県の太平洋側にも類似の行事があります。 (ただし角館などの内陸地方にはナマハゲの行事はありません)。 しかしよく似た行事がほかの地域に見られるということは、 この種の行事が、 地域を越えて日本の社会や共同体の中での個人のアイデンティティの確立に重要な意味を持っていたことの証左であり、 そのことをもっと評価したいと考えています。 ナマハゲは民間信仰の一形態というより、 共同社会の秩序の維持を図ることを目的とする神事なのです。 ですから私は、 ナマハゲは日本の無形文化遺産に加えてもいのではないかと考えました。(著=収斂) 2003/02/08 |
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