典型的な火焔(火炎)土器が多く出土する縄文遺跡群 登録運動の有無:なし 登録の可能性評価:★★★(高) 所在地:新潟県十日町市、長岡市、三島郡三島町ほか |
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【世界遺産に登録できるか?】 火焔土器は新潟県内の信濃川流域を中心として発見されています。 年代は4500年くらい前の縄文時代で、 日本各地の縄文文化の中でも火焔土器はあまりに独創的で、 傑出した芸術性をもったすばらしい土器であり、 日本の美術史上最高の芸術であるといっても過言ではないでしょう。 私は世界美術史に燦然と輝く傑作中の傑作と思います。 そんなすばらしい土器ですが、 なぜか名称には未だ統一的な呼称がなく「馬高式土器」や「火焔型土器」、 「火焔形土器」、「火焔式土器」、「火炎式土器」、「火炎土器」ともよばれます。 おそらくあまりに独創的であるため、 技法を細かく分類するとさまざまな特徴があるからなのでしょう。 土器のおおまかな特徴は、 「鶏冠状把手」と「鋸歯状口縁」などさまざまですが、 使用目的についてもまだ統一見解がありません。 でも実用的ではないので、 祭祀用であったことは確かでしょう。 火焔土器の様式には装飾的なものと非装飾的なものがあり、 装飾的なものに「火焔型」と「王冠型」の2種類がみられます。 「火焔型」は「鶏冠状把手」と4つの大きな突起をもつもので、 突起や口縁には鋸歯状の連続した小突起がつきます。 一方「王冠型」は、 基本的な文様は火焔型と共通しますが、 大型の突起はシンプルな山形で、 鋸歯状の連続突起はありません。 世界遺産候補の遺跡はたくさんあるでしょうが、 馬高遺跡(長岡市:深鉢 火焔土器出土)、 千石原遺跡(長岡市:深鉢 火焔土器出土)、 岩野原遺跡(長岡市:深鉢 王冠型土器出土)、 笹山遺跡(十日町市:深鉢 火焔土器と、深鉢 王冠型土器出土)などが挙げられます。 特に十日町市の笹山遺跡の出土品928点が、 平成11年6月7日に縄文土器として国内初の国宝に指定されました。 現在、 信濃川火焔街道連携協議会というものが組織されて、 火焔土器の知名度向上に頑張っているようです。 協議会設立趣旨は、「火焔土器に代表される縄文をキーワードに、 信濃川中流域の市町村と交流・連携をはかり、 地域振興及び広域観光を推進することを目的とし、 各市町村の遺跡や展示施設を拠点にしたハード・ソフト両面での有機的な連携により、 地域内外へ、 積極的に情報発信し」、「また、火焔土器にとどまらず、 共通の自然・文化による広域的な連携・交流を視野に入れ、 官民で幅広く取り組む」そうです。 なおこの協議会は、 設立当初は長岡市、十日町市、津南町、中里村の2市1町1村だったそうですが、 ほかの沿川市町村(越路町、小千谷市、川口町、川西町など)に対しても連携を呼びかけているそうです。 私はこの土器が見つかる代表的な遺跡は十分に世界遺産化が可能であると考えています。 また長野県からも同様の美しい火焔土器が多数見つかっています。 尖石遺跡のようにすばらしい土偶が見つかっている遺跡も含めて、 縄文文化の卓越した芸術性を世界に発信できればいいと感じます。 なお私はこの遺跡の世界遺産登録に関しては結構、 楽観的です。(著=収斂) 2003/02/08 |
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