名古屋城の完全復元による世界遺産化 登録運動の有無:なし 登録の可能性評価:★★(中) 所在地:愛知県名古屋市 |
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【世界遺産に登録できるか?】 名古屋城は1945年5月14日に戦災で焼失しましたが、 当時は本丸御殿と天守閣とともに国宝に指定されていました。 特に本丸御殿は、 徳川家康が1615年に造った天下普請の建物で、 京都の二条城と並ぶ日本を代表する書院造りの傑作で、 もし名古屋城が戦災で焼失しなければ、 その芸術的・文化的価値は姫路城をはるかに凌ぎ、 世界遺産登録は間違いなかったと思われます。 幸いなことに、 名古屋城の焼失前の詳細な実測図面が残されており、 建物の忠実な復元が技術的には可能なのです。 また移転させて焼失を免れた襖絵・杉戸絵などが349面と、 天井板絵700面の合計1049面の障壁画(うち1047面は重要文化財に指定)が現存しております。 これほどまとまった形で伝えられている障壁画は二条城と名古屋城のみです。 このうち800点以上の障壁画の復元模写作業も進行中です。 現在、名古屋市では、 名古屋城築城開始400年にあたる2010年に本丸御殿の復元をめざして活動中ですが、 これらの精巧な模写は復元された本丸御殿の各部屋を飾るそうです。 ですから私は、 もし名古屋城が天守閣も含めた全ての遺構が完全に木造で復元されれば、 ちょうど首里城が世界遺産になったように、 名古屋城も世界遺産に登録できると考えております。 現時点では天守閣の復元の話はありませんが、 鉄筋コンクリートの現天守閣もいずれは老朽化するはずで、 次回の再建の時に本格的な天守閣の復元を行えばよいと思います。 おそらくそれは100年以上先の話かもしれませんが、 そうした準備が整ったら、 名古屋城の世界遺産化は可能と考えます。 同様の事例は、 戦災で焼失し、 現在鉄筋コンクリートで復元した天守閣がそびえる岡山城や和歌山城などの他の城郭にも当てはまります。(著=収斂) 2003/02/08 |
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