明日香村遺跡群とその周辺の文化財



登録運動の有無:2004年に地元で運動開始。06年、文化庁の暫定リスト公募に応募。07年、暫定リストに記載!

登録の可能性評価★★★(高)

所在地:奈良県高市郡明日香村


【世界遺産に登録できるか?】
  飛鳥が日本の歴史に及ぼした影響は計り知れないものがあります。
ですから日本の歴史の原点であるといっても過言ではないでしょう。 しかし現存するものが地中に埋蔵されている遺構ばかりなので、 世界遺産としてみれば、 ここ明日香村の世界遺産化は正直いって難しいと思います。 しかし運動のやり方次第では、 結構いいところまで行くかもしれません。 仮に世界遺産になれなくても、 裏世界遺産としての価値は充分にあります。

  該当物件としては飛鳥寺、山田寺跡、高松塚古墳、キトラ古墳、石舞台古墳などが普通に思いつくでしょうが、 このほかにも明日香村の世界遺産運動では、 巨石構造物(メガリス)を該当させる方法が有効でしょう。 実は最近この巨石構造物の世界遺産を増やす流れがあるからです。 ですから、 余談ですがフランスのカルナックのメガリス群(ケルマリオ、メネック、ケレスカンのメンヒルやドルメン)は、 近いうちに間違いなく世界遺産になると見ています。 そういう動きを察知しています。

  明日香村の巨石群(鬼の雪隠、鬼の俎板など)は、 古墳の石槨が製作途中で放棄されたものですが、 飛鳥の石の硬度はあまりに硬く、 こんなに硬い石に加工を施したのは飛鳥人以外いません。 つまり猿石や酒船石、須弥山石、亀型構造物などの成型には並々ならぬ努力があったのです。 しかも残念なことに、 この技術は飛鳥時代だけで終焉し、 次代に受け継がれることはありませんでした。 ですから、 明日香村の遺構・遺物は、 一見すると大した事ないように見えますが、 実はとても独創的な技術が多く見られる遺跡なのです。 さらに都市のインフラ整備が、 予想以上に大規模に整備されていたことなども最近わかってきました。 地下水の流れを巧みに利用していたという説が注目されています。 こういう説は一昔前では想像もつかなかった奇想天外なものでした。 明日香村にはまだまだ多くの謎がありますが、 更なる明日香村の発掘によって、 少しずつですが解明されていくことでしょう。 私は、 明日香村の世界遺産化が実現するとしたら多分その頃と思います。(著=収斂)

2003/03/24



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