琵琶湖と周辺の文化財(彦根城・安土城を含むのも可)



登録運動の有無:なし

登録の可能性評価:−

所在地:滋賀県大津市、犬上郡多賀町、長浜市ほか


【世界遺産に登録できるか?】
  琵琶湖周辺には京都や奈良に匹敵する文化財が点在していることは、
ここであえていう必要も無いと思います。 この文化財をまとめて世界文化遺産に推薦しようという話が全然出てこないのは、 そういった由緒ある歴史的建造物の多くが、 戦国時代に織田信長の焼き討ちでほとんど壊滅し、 江戸時代に規模を縮小して再建された経緯があるからでしょう。 しかし全滅ではありません。 また湖北には十一面観音信仰などに支えられ、 貴重な国宝・重文となった観音菩薩立像が結構現存しています。 ほかに彦根城・安土城のような貴重な城郭建築遺構もあります。 ですから石山寺、三井寺、多賀大社、竹生島などを含めた 「琵琶湖と周辺の文化財」として世界遺産運動することは、 全く不可能なことではないと考えています。

  ただ問題点は二つあります。 一つは琵琶湖をどうするかです。 残念ながら琵琶湖の水質と生物環境は劣悪で、 数十年かかっても回復できるかどうかわかりません。 ですから琵琶湖を含めた複合遺産は不可能であり、 せいぜい琵琶湖を文化的景観とするくらいしか手がないでしょう。 もう一つの問題は延暦寺です。 この物件は京都の文化財の一つとなっていますが、 実際は滋賀県の物件であり、 琵琶湖の近くです。 石山寺や三井寺と別件にするにはちょっと微妙です。

  以上、 問題もありますが、 物件のレベルは高いので、 うまくやったら世界遺産は可能ではないでしょうか。 むしろ琵琶湖を浄化し、 複合遺産を目指そうというくらいの気概の方こそ大事でしょう。(著=収斂)

2003/02/08



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