壬生狂言(無形文化遺産)



登録運動の有無:なし

登録の可能性評価★★(中)

伝承地:京都府京都市


【無形文化遺産に登録できるか?】
  壬生狂言は正しくは壬生大念仏狂言といい、
壬生寺の御本尊延命地蔵菩薩に奉納するために円覚上人が始めた無言仮面劇で、 鎌倉時代から700年の歴史を持つ京都の代表的な伝統芸能です。 当然のことながら国の重要無形民俗文化財に指定されています。

  壬生狂言は一般の能狂言とは異なり、 全ての演者が仮面をつけ、 かね・太鼓・笛の囃子に合わせて「せりふ」を用いない無言劇として演じられます。 内容は娯楽的な中にも勧善懲悪、 因果応報の宗教性がありますが、 近世からは庶民の大衆娯楽としても発展し、 本来の宗教劇に加え、 能や物語からも演題が採り入れられ、 曲目は現在30曲にもなります。 また収蔵する仮面は室町時代から現代の作まで約190点もあり、 衣裳・小道具にいたっては、 江戸時代のものも含めて数百点を数えます。 さらに舞台に独特の仕掛けがある大念佛堂(狂言堂)は、 同様の物がほかになく、 国の重要文化財に指定されています。

  無形文化遺産の定義は各国でもまだいろいろもめているようですが、 現段階の無形文化遺産を見ると、 どれも洗練された伝統的な芸術性と、 文化を継承するのに必要な最低限度の定型化した流儀が必要のようです(個人的感想)。 少なくとも壬生狂言はその基準を満たしております。 私はそのうち狂言が日本の無形文化遺産になると感じておりますが、 そのとき能狂言とともに壬生狂言も加えられることを希望します。(著=収斂)

2003/02/08



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