無形文化遺産、世界の記憶への登録運動地リスト

▼現況は、過去2年間の動きが不明のもの、中止を明言していないものは「休止中」としました
▼登録の可能性は、弊サイトが独断で判断したものであり、各遺産の価値を絶対的に決定づけようというものではありません


[世界の記憶] 上野三碑(こうずけさんぴ) 現況:運動中 可能性:★
群馬県/高崎市

経緯
●12年、群馬県が登録申請の検討に入る(12/06/06産経ニュース)。

特徴
高崎市の半径5kmの範囲内にある3つの古碑。最も有名なのが8世紀前半の多胡碑(たごひ)。多胡郡の設置の経緯を記している。山上碑(やまのうえひ)は7世紀後半、金井沢碑は8世紀前半のもので、記銘者が自らの一族について記している。三碑とも国の特別史跡に指定。[1]


[無形文化遺産] 長良川の鵜飼 現況:運動中 可能性:★
岐阜県/岐阜市

経緯
●05年、岐阜市が無形文化遺産の登録を目指し調査を開始。
●詳細は岐阜市役所/長良川鵜飼習俗調査

特徴
鵜飼の歴史は古く、現在も継承されている長良川の鵜飼は1300年前に文献記録がある。この漁法は、文献や絵画などの資料でさかのぼる限り改変の形跡がない。国の無形文化財の指定は受けていないが、「長良川鵜飼用具」が重要有形民俗文化財になっている。[2]


[無形文化遺産] 奥三河の花祭り 現況:運動中 可能性:★★
愛知県/北設楽郡設楽町、北設楽郡東栄町、北設楽郡豊根村

経緯
●10年、豊橋商工会議所で公開討論会「花祭、世界無形遺産登録に向けて」開催(10/11/30朝日新聞)。

特徴
奥三河の17カ所の集落で伝承されている湯立神楽(沸騰した湯を使い無病息災などを祈る神事を行う)の一種。「花」とは稲の花を指し、その成熟を祈る「花育て」が名の由来とされる。古風で猿楽や田楽をしのばせ、芸能史的に重要なことから、76年に国の重要無形民俗文化財に指定された。[2]


[無形文化遺産] 海女(あま)文化
※韓国の「済州島の海女文化」と共同での登録運動
現況:運動中 可能性:★
三重県/伊勢市、志摩市

経緯
●07年、韓国・済州島の海女博物館で開かれた海女博物館日韓国際学術会議に招待された三重県鳥羽市の「海の博物館」の石原義剛館長が、無形遺産への登録を呼びかけられる(08/06/08読売新聞)。
●09年、「海の博物館」で海女フォーラム・第1回鳥羽大会を開催。無形世界遺産登録を目指す大会アピールを採択。
●詳細は海の博物館

特徴
海女は、潜水または船上から海中に棒を差し入れて魚貝類・海藻類をとる漁業者。男性の「海士(あま)」は中国南部・マレー・太平洋でも見られるが、海女は日本と韓国の済州島以外ではほとんど例がない。日本の海女は2時間ほどの間に潜水を数十回くり返し、潜水を速めるためおもりを着けたり、浮上を速めるため船上から綱をたぐり寄せるなど、様々な工夫をしている。済州島の海女はかつて対馬などに進出し、日本との技術的な類似点が多い。[3]


[世界の記憶] 舞鶴引揚記念館所蔵品 現況:運動中 可能性:★
京都府/舞鶴市

経緯
●12年、舞鶴市のウェブサイトの「お知らせ」にて「舞鶴引揚記念館所蔵品『ユネスコ世界記憶遺産』登録への取り組み」と題する記事が公開される。記事には、「舞鶴市では、舞鶴引揚記念館が所蔵している資料を、貴重な歴史資料として次世代に継承し、保存活用を進めながら広く情報発信していくため、『ユネスコ世界記憶遺産』登録に向けた取り組みを進めることとしました」とある。(12/09/05舞鶴市)。

特徴
舞鶴は戦後13年にわたり、大陸からの引揚者を受け入れ続けた。舞鶴に引き上げた抑留者は60万人を越える。舞鶴引揚記念館には、抑留生活を俳句や和歌にして白樺の皮に書いた「白樺日誌」や、抑留者が記した俘虜用郵便葉書、シベリアの地でまとめられた日本人抑留者の名簿など、膨大な史料が収められている。[4]


[世界の記憶] 知覧特攻隊の遺品 現況:運動中 可能性:★
鹿児島県/南九州市

経緯
●12年、知覧特攻平和会館所蔵の特攻隊員の遺書・手紙の登録申請準備に着手することを、南九州市が発表(12/06/04朝日新聞)。

特徴
特攻隊(特別攻撃隊)は、爆弾を積んだ航空機を操縦士もろとも突入させる自爆部隊で、太平洋戦争後期に投入された。基地の多くが鹿児島県にあり、薩摩半島南部の知覧にも置かれた。そうした歴史的背景をもつため、知覧には特攻平和会館が設置され、隊員の遺品や遺影を所蔵している。



主な参考資料
[1] 群馬県
[2] 文化庁−文化財データベース
[3] 『日本大百科全書』小学館
[4] 舞鶴引揚記念館


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