解説/文=収斂さん
アメリカ合衆国西部の13州は、1776年に独立した最初の州であり、アメリカのなかでも歴史的建造物が多いことで知られる。こういった古い都市はほとんどが大西洋岸に点在し、ヴァージニア州のウィリアムズバーグをはじめ、サウス・カロライナ州のチャールストン、フロリダ州のセント・オーガスティンなどが有名だが、そのなかでもジョージア州のサヴァナは、合衆国で最大の歴史都市に指定されている。
サヴァナの街の歴史は、18世紀のはじめにイギリスのジェームス・オグレソープが入植したことに始まる。とくに綿花の栽培は第二次世界大戦のころまで、町の産業を支えた。現在でも碁盤の目のように区切られた街区など、植民地時代の街並みがよく保存されている。しかし産業の発達は、やがてここを南北戦争の激戦地にも変えた。そのため現在の歴史的建造物の多くが、19世紀後半に修復されたものである。
みどころは、南部で最も美しい教会とされるセント・ジョン・バプティスト大聖堂だろう。これはサヴァナでもっとも有名な建築で、18世紀に建築されたが、現在のように規模が大きくなったのは1830年以降である。ほかにもレンガ造りの歴史的な家々が多く、ヨーロッパの小都市を思わせる。グリーン・メルドリン邸、アンドリューロウ邸、オーエンズ・トーマス邸、ダヴェンポート邸などは当時の家具や装飾が多く残り、貴重である。
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