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▲11の中庭の家 Photo credit:Europe's gateway to the REAL Mexico |
解説/文=収斂さん パツクアロ(Patzcuaro)はミチョアカン州(Estado de Michoacan)にあり、モレーリア(Morelia)から約60km南西のパツクアロ湖周辺に広がる小さな集落である。かつてパツクアロ湖周辺には、先住民のプレペチャ(Purepecha)族が住んでいた。彼らはアステカ系のタラスコ王国を築いたタラスコ族の末裔といわれており、オウレペチャ語という独自の言語をもっている。ただしこの言語の由来がまだよくわかっておらず、不明な点も多い。ただ、このプレペチャ族が14世紀に この周辺に王国を築いていたのは確かである。14世紀のパツクアロは、プレペチャ族のトリアク王が支配し、その首都(1325〜1400)だった。その後この王国はパツクアロ、ツィンツンツァン(Tzintzuntzan)、イウアツオ(Ihuatzio)の三国に分裂し、現在もその街が残っている。
スペイン人が侵攻してから、ミチョアカン州都のモレーリアにも壮麗なコロニアル様式のカテドラルや水道橋が多く出現した。それは現在も当時の繁栄を伝えている。とくにカテドラルの建設は1世紀以上かかったものもあり、その美しさはヨーロッパの教会にもまったく引けを取らない。精緻な祭壇と装飾過多の教会内部は、見る者を圧倒する。装飾は、正面基壇はもちろん、天井、アーチ全面にまでおよぶ。このコロニアル教会建築の奇跡ともいうべきモレーリア歴史地区は、1991年世界遺産に登録されている。
「パツクアロ湖文化地帯」としての世界遺産への推薦範囲は不明だが、代表的な歴史的建造物には以下のようなものがある。 <パツクアロ> サグラリオ寺院(Temple
del
Sagrario) ハニッツィオ島 <周辺の街> イウアツオ(Ihuatzio) |