サンタロサの歴史的邸宅 Santa Rosa Historic Mansion
|
解説/文=収斂さん+浦に〜と サンタロサの史跡は、グアナカステ州のリベリア(Liberia)の北36kmのサンタロサ国立公園内にある。ここはコスタリカ有数の貴重な自然保護区であり、またコスタリカで最も重要な歴史地区の一つでもある。それはここが、1856年3月20日に勃発したサンタロサの戦いの激戦地であり、この戦いがいまもコスタリカ国民の自尊心を高揚させる、最も英雄的なできごととして語られているからだ。なかでも戦いの歴史を今に伝えるラ・カソナ(La Casona)と呼ばれる牧場主の邸宅と、その周りの石づくりの簡素な砦の跡が有名で、現在博物館として保存されている。
19世紀、中米の小国ニカラグアを独裁したウィリアム・ウォーカー大統領。彼は中米一帯に、奴隷制をしいた連合国家の建国を企てた。この思想に危機感を募らせた、ほかの中米4カ国(グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカ)は連合軍を形成する。連合軍では、ニカラグアから亡命した政治家を擁護したコスタリカが中心となり、英国軍の援助を得て、攻め来るウォーカー軍に抵抗した。1856年3月、サンタロサにおいてウォーカー軍と中米連合軍が衝突。連合軍が勝利をおさめ、同年11月のリバスの決戦において、ウォーカー軍は撤退する。ウォーカー軍はアメリカ合衆国に助けられたが、ひとまず一連の抗争は終結した。サンタロサは19世紀の中米の一大事件を知るうえでも、とくに重要な場所となっているのである。
またサンタロサ国立公園では、そのほぼ全域にわたって、たいへん貴重な生態系が残っている。1999年には「グアナカステ保全地区」の一部として、自然遺産として世界遺産に登録された。
同様に動物の生態系も貴重である。155種類以上の哺乳類が生息し、その種類の半数以上をコウモリが占める。鳥類にいたっても、253種類をみることができ、さらに両生類、爬虫類はおよそ100種類もいる。また昆虫は1000種類以上もいるが、なかでもチョウ、ガの種類はとくに多く、現在3140種が確認されている。 |