解説/文=収斂さん
スパニッシュ・タウンは1534年にスペイン人によって建設され、以来300年ものあいだジャマイカの首都だった。現在の首都はキングストンだが、スパニッシュ・タウンはそこからおよそ20km離れたところにある。
スパニッシュ・タウンの旧市街には、ほかのスペイン植民地同様、美しいスペイン風コロニアル建築がいまでも多く残っている。シンボルは街の北に建つ、英海軍提督・ジョージ・ロドネイの彫像である。この像は18世紀後半の英国を代表する名彫刻家、ジョン・ベーコンによってつくられたものである。
(ジョージ・ロドネイは、アメリカ合衆国の独立戦争中の1780年、セント・ビンセント岬沖でスペイン艦隊を、1782年にカリブ海でフランス艦隊を破った。いまでも英国の国民的英雄として、ナポレオン1世の艦隊をトラファルガー沖で破ったネルソン提督とならび称される海軍提督である)。
そのほかにも街の見どころは多い。街の東には赤レンガが美しい集会場(House
of
Assembly)と、それに面して建つ、かっての植民地総督の邸宅だった旧宮殿(Old
King's
House)は有名である。ただし旧宮殿は1925年の火事でひどく損傷し、現在のものにはファサードがつけ加えられており、いまは工芸技術博物館として使われている。また1714年にできたセント・ジェームス教会、アラワク博物館なども有名である。
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