解説/文=収斂さん+浦に〜と
<文化>
東国立公園はスペイン植民化以前、タイノ文化が栄えた地。この文化は1494年にコロンブスがジャマイカ島に到達後、30年間でほぼ断絶してしまったが、その後放棄され、また森に埋もれたおかげで、かなりの範囲が貴重な考古遺跡地帯として保存されることとなった。
タイノ文化の遺跡の最たるものが壁画だ。東国立公園には彩色画・刻画が残り、南北アメリカでもとくに重要な先史壁画群として評価されている。
<自然>
ドミニカ共和国はイスパニョーラ島の東岸の約6割を占める。島の東西に三つの山脈が走り、山脈周辺には丘陵地が発達している。中央山脈は標高が2,000メートル以上もあるため、亜熱帯の島であるにもかかわらず、高山性の動植物も多く生息している。東国立公園(Eastern
National
Park)は同国にある10の国立公園の一つで、首都サント・ドミンゴから東に約140キロの、島の南東の端に位置している。
この公園へは、観光用のメラ・ハイウェイ(Mella
highway)という高速道路まで建設されているのでアクセスしやすい。幸いなことに東国立公園はイスパニョーラ島で最も森林が豊かな場所といわれ、国内外からも高く評価されており、面積はサオナ島(Saona
Island)を含めて440平方キロである。
森には貴重な鳥類が多く生息し、フクロウの仲間のバウム・オウル(barn
owl)や、ブラウン・ペリカン(brown
pelican)、また絶滅が危惧されているシロボウシバト(white-crowned
pigeon)などが有名である。両生類や爬虫類の種類も多く、トカゲ類やヤモリ類、ウミガメ類、そして、イグアナの一種のサイイグアナ(rhinoceros
iguana:IUCNレッドリスト「危急種」指定)などが代表的だ。また公園内には洞窟が多く、コウモリも多数生息している。さらに海中にも生物種は多い。なかでもアメリカマナティ(west
indian
manatee:IUCNレッドリスト「危急種」指定)や、イルカの仲間のボトルノーズ・ドルフィン(ハンドウイルカ
bottlenose
dolphin)は、絶滅が心配されている。
参考サイト
http://dominicanrepinfo.com/Parks-Reserves.htm
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