カハス湖群とパレドーネス遺跡群 Lacs du Cajas et Ruines de Paredones
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解説/文=収斂さん インカ古道沿道の遺跡群
パレドーネス遺跡群(Paredones
ruins)は、カホン・タンボ(Cajon
Tambo)という小さな村の近くで発見された遺跡だが、インカ帝国時代はもちろん、それ以前の文明であるプレ・インカ時代にも使われていた古代の商業ルート遺跡の顕著な例の一つである。この古代の商業ルートはやがてインカ古道(Incan
trail)の一部に組み込まれた。パレドーネス遺跡群の中でもタンボ・パレドーネス(Tambo
Paredones)という巨大な石造構造物は有名である。ただしトゥパク・ユパンキ人(Tupac-Yupanqui)という古代の民族によって建てられたものであること以外、詳細はまだ不明である。
カハス国立公園(Cajas
National
Park)は、インカ帝国の北の中心地クエンカ(Cuenca)から北に33キロの位置にある湖沼群で、氷河からの水がつくったラグーン(干潟)が230以上も点在している。海抜は3000〜3900メートルもあり、現在はアウトドア主体の観光地化が進んでいる。ここは高所のため気温の変動が激しく、またラグーンという特異な環境のために、世界的にも希少な動植物が多く見られる。 |