解説
イエハは、先アクスム文化のエチオピアの遺跡のなかで最も有名なものであり、アクスム王国の基礎となった文化の遺構である。時代は紀元前4〜紀元5世紀。遺跡には石を積み上げた、高さ9mの神殿や宮殿・住居がある。イエハは南アラビアの影響を強く受けており、南アラビア語の碑文も出土した。南アラビアの神殿をもとにつくられた方形神殿は、内陣が基段の上に建つという構成をもつが、これはのちの古代エチオピア建築に、最も大きく影響した特徴の一つとされている。また青銅器も見つかっていて、すでにこの地では鉄器が使用されていたことも明らかになった。さらに、石造構造物のなかには、金属をほぞに使ったものも確認されている。
参考文献
『熱帯アフリカの都市化と国家形成』 グレアム・コナー著、近藤義郎/河合信和訳、河出書房新社、1993
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