解説/文=収斂さん
アトラス山脈の最東端にあるジェベル・シャンビ(シャンビ山)は、チュニジアで最も高い山(標高1544m)であり、Mont
de
Tebessaの森の一部をなしている。気候は、夏には40℃を超えるが、冬には頂上付近にのみ雪も積もる。年間降水量は400〜500mmで、降雨は不規則だが春と秋に多い。
この一帯は貴重な動植物の宝庫で、1977年1月に環境の保護地域に指定され、80年に国立公園化された(面積67.23平方キロ)。現在ではこの場所での狩猟行為はもちろん、家畜の放牧、木々の伐採、砕石行為は一切禁止されている。
シャンビ山一帯の環境は、チュニジア政府が生態系や環境保護の研究に関して積極的であったこと、また幸運にも公園内に住む人がいなかったことなどの理由から、保護はうまくいっており、現在までのところ自然破壊や観光公害は報告されていない。
しかし、公園の近隣には多くの小さな村があり、またカスリンのような大都市も近いため、観光客の入山制限については提唱されている。また高所であるため、以前、山火事が起きたとき消火活動がうまくいかず、鎮火後の土壌流出も問題になった。そのため山火事防止も重要な問題になっている。
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