ビルニ・ガザルガムとガムバルー
Birni Gazargamu and Gambaru


国名 ナイジェリア
分類 文化遺産
所在地 ナイジェリア北東部、首都アブジャの北東およそ650km


審議歴
1980年 登録延期 … 2つの推薦遺産の正確な範囲決定だけでなく、推薦範囲の主要建造物の目録作成が求められている。
1981年 登録延期 … 2つの推薦遺産の正確な範囲決定とともに、推薦範囲の主要建造物の目録作成が求められているのだが、まだ受理されていない。
1988年 暫定リストに記載。
1995年 暫定リストより削除。


解説
  ほとんど知られていないが、カネム=ボルヌ王国はおよそ1000年間も王位を継承しつづけた国であり、それは世界でも有数の長さをほこる王朝といえる。国が興ったのは9世紀のチャド湖東岸で、いくつかの遊牧部族が1人の統率者にまとめられたという。はじめ定住地をもたなかったが、チャド湖の周辺を活動範囲としていた。ときを経るごとに国は町をもつようになり、チャド湖の南側へ進出するようになった。しかし行く先では先住部族との争いも絶えず、国は次第に衰えていった。

  ビルニ・ガザルガム(ビルニン・ガザルガモ)は、カネム=ボルヌ王国の首都として15世紀後半、ときの王アリ・ガジによって築かれた。王は攻め寄せる他部族から、最後まで町を死守したといわれる。また王はイスラム教を取り入れた国づくりを行い、王国に再度の繁栄をもたらした。

  ビルニ・ガザルガムは周囲を高さ6mの土壁で囲まれており、その範囲は直径28kmもある。町にはレンガづくりの宮殿建築が残されているが、庶民の家は草や泥でつくられていたと思われ、何も残っていない。ビルニ・ガザルガムはフラニ族に攻め落とされる1811年までの340年間、王国の中心であり続け、それは当時アフリカで最も大きな町であったと推測される



参考文献
『ナイジェリアその人々と歴史』 マイケル=クローダー、グダ=アブドゥラヒ著、中村弘光、林晃史訳、帝国書院、1983






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