ギール野生生物保護区
Gir Wildlife Sanctuary


国名 インド
分類 自然遺産
所在地 首都ニューデリーの南西およそ1000km


審議歴
1986年 暫定リストに記載。
1992年 不登録 … 重要な遺産だが、世界遺産への登録基準を満たしていない。
1998年以前 暫定リストより削除。


解説/文=収斂さん
  ギール野生生物保護区は、グジャラート州の南西部に位置し、面積1412.13平方キロの広大な国立公園である。この公園は、アフリカ以外では世界で唯一の野生のライオンの繁殖地である。アジアライオン(Asiatic lion)はアフリカのものよりややほっそりしており、大きさもやや小型である。野生のライオンはここだけでなく、ラージャスターン州やハリヤーナー州、パンジャブ州、ウッタル・プラデシュ州、マディヤ・プラデシュ州に生息している。しかし数は急速に減っており、緊急の対策が必要である。1913年にギール野生生物保護区が設けられたとき、この保護区内のライオンは20頭以下にまで減少していた。しかしいまでは300頭以上にまで回復している。
  ギール野生生物保護区でライオンとならんで貴重な動物はヒョウである。ギール野生生物保護区はインドで最大の、ヒョウの繁殖地の一つでもある。
  そのほかの動物の生息数も豊富である。ヨツヅノレイヨウ、ジャッカル、ハイエナ、イノシシ、サンバー、アクシスジカ、ニルガイアンテロープ、チンカラガゼル(小型のレイヨウの一種)、ランガーモンキーなどである。また鳥類の種類も豊富で、ヒタキの仲間(ヒタキとはハエを捕食する小型の鳥で、ここではサンコウチョウが一般的)、キツツキ類、フラミンゴ類、ボネリークマタカ(Bonelli's Eagle)などが有名である。
  植物の生態系も重要である。ここはチークとflameの混合林で、そのほかアカシアやバンヤンツリーも混じる。また水辺ではまったく異なる植生も見られる。代表的な植物は広葉常緑樹のタマリンド(アフリカ、南・東南アジアに生え、実は調味料になる)のほか、jambu、karanj、umro、vad、kalam、charal、sirus などである






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