解説
ジェラシュは、現在のアラブ諸国につくられたローマ植民都市のなかでも、とくに華麗で壮大な街。紀元前64年に植民地化され、紀元50〜60年にはローマの繁栄にともない、劇場や神殿などがつくられた。2世紀に再建されたゼウス神殿、長さ600mの列柱通り、2つの劇場など、数々のローマ建築物が残る。ジェラシュは3世紀、海洋交易の発達やパルミラ滅亡の影響を受けて衰退を始め、4世紀にはローマ帝国のキリスト教化のために、いくつかの神殿が教会に転用されるようになった。7世紀になるとイスラム軍が侵攻し、街は征服された。そして8世紀、大地震に襲われ、完全に人々から忘れられた廃墟となってしまった。
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