シドン
Sidon


国名 レバノン
分類 文化遺産
所在地 首都ベイルートの南南西およそ50km


審議歴
1984年 登録延期 … ビューロー会議にて、Sanctuary of Echmun のみでの登録推薦について指摘されたが、これに対するレバノン側の返答が得られないため、今年度の登録を見送る。なおこの遺産は基準(3)に該当するとして登録推薦された。
1996年 暫定リストに記載。


解説
  現在名はサイダ(Saida)。レバノン第三の都市。ここに人が暮らしはじめたのは5000年以上も昔のことで、以来フェニキア、ペルシア、ローマ、十字軍、トルコなど、さまざまな文化がこの町を支配してきた。しかし現在見られる文化財は、ほとんどが十字軍時代以降、イスラム支配期のものに限られる。
  地中海に浮かぶ「海の城塞」は13世紀の始めに、もともとフェニキア人の神殿があった小島に十字軍が築いた。のちの時代に破壊されたものの建築の一部は残存しており、そのたたずまいからシドンの象徴的な建物となっている。
  この「海の城塞」に向きあうように、イスラム色豊かな旧市街が広がっている。迷路のように路地が入り組んだ旧市街にはモスクのほか、古い隊商宿やスーク(市場)なども見られる。そして旧市街の南側には、やはり十字軍によって建造された要塞のサンルイ城が残されている。


 


海の城


旧市街モスク

写真提供=AGTさん(同じ青空の下で