マクテシム地方
Makhteshim Country

国名 イスラエル
分類 自然遺産
所在地 エルサレムの南およそ150km


審議歴
2000年 暫定リストに記載。
2001年 登録延期 … この遺産には文化的価値も認められているので、その点での再調査も行なうべきである。
2005年 辞退 … IUCNの事前評価で「不登録」との勧告を受け、辞退した。不登録勧告の理由は不明。なお本物件は基準(7)(8)(10)に該当するものとして推薦されていた。


解説
  イスラエル南部のネゲブ砂漠には、マクテシュ(マクテシム)と呼ばれるクレーター状のくぼ地が5つある。およそ500万年の間に、固い岩盤に囲まれた部分が雨水浸食を受けて削られ、クレーターに似た姿となったものである。そうしたネゲブ砂漠のクレーターのうち、大きな3つにはマクテシュ・ラモン、マクテシュ・ハガドール、マクテシュ・ハカタンという名前がつけられ、残る小さな2つはアリフ・マクテシムと総称されている。
  最大のマクテシュ・ラモンは、長さ40km、幅10kmにもなる。縁の尾根からの高低差が500mにもなる底部からは、2億年もむかしのジュラ期の地層が見つかった。これらのクレーターの底はしばしば海抜以下に達する。ネゲブ砂漠自体が標高500〜1000mの高地に位置しているのだが、クレーターの切れ込みがかなり深くなっているためである。ちなみに、マクテシュとはとはそもそも「乳鉢」や「臼」を意味する言葉で、それがいまや類型の壮大な景観を示す地学用語にもなった。
  マクテシム地方にある5つのクレーターは大きさも形もさまざまで、地形形成のプロセスを示す重要な指標である。さらに荒涼とした独特の景観は、類例のない壮大な自然現象ともいえる。






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