マルディンの歴史都市 Historic City of Mardin
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解説/文=収斂さん 多くの民族が支配した町
マルディンは、小アジア半島からシリアやイラクに向かう街道沿いの、平野を南に見下ろす丘の斜面にある古い都市である。現在のマルディンの人口は1997年の統計で約65万人。行政区域はDargecit,
Derik,
Kiziltepe,
Mazidagi,
Midyat,
Nusaybin,
Omerli,
Savur,
Yesilli
に及ぶ。マルディンの歴史は伝承によると、ノアの洪水の記述にも登場するくらい古い。それは、この一帯が古くから交通の要衝だったためで、さまざまな民族や国家がこのマルディン一帯を支配してきた。そのため貴重な文化財や遺跡はマルディン市街のみならず、その周辺にも多数現存している。
マルディンの主な文化財は、城塞、グランド・モスク(Grand
Mosque)、Kasimiye
Medresse、Zinciriye
Medresseなどを含む歴史地区が有名だが、歴史地区以外にも、1385年建設でトルコ風の壮麗な彫刻が美しい
Sultan
Isa
Medresse
や、華麗なドームで知られる
Kasim
Pasa
Medresse
も有名である。
マルディンには古い民家も多く現存している。建築資材としては、昔から石灰岩が利用されてきた。とくに家の周囲を4メートルの高い壁によって囲み、通りから隔離させるスタイルは、厳しい気候条件に適応したつくりとされている。家には男性用と女性用の部屋が別々にある。こうした古い家の最大の特徴は、「Midyat
Work」と呼ばれる石づくりの仕事部屋があることである。また、家が通りをまたぐ格好で建設されることも珍しくない。こうした家は石づくりのアーチで頑丈に支えられ、居住空間は2階である。
マルディンは、この場所が昔から交通の要衝だったこともあり、郊外にも歴史的建造物は多い。マルディンの南21キロにあるキジルテペ(Kiziltepe)という場所には、Artutid建築の最高傑作とされる、13世紀の建造のウル・モスク(Ulu
Mosque)がある。このモスクには、すばらしいレリーフと華麗な装飾のついた入り口があることで有名である。
現在のマルディン周辺地域は、国家的灌漑事業である
GAP
Project
によって大きく変貌しようとしている。この灌漑事業が成功すれば、マルディン一帯の1000平方キロもの広大な地域の灌漑が可能になるという。この新しい土地ではすでに綿花栽培が計画されており、トルコ政府はこの一帯を大綿工業地域として発展させようと期待している。 |