セント・デーヴィッズの大聖堂と司教館
St. David's Close and Bishop's Palace


国名 連合王国
分類

文化遺産

所在地 ウェールズ西端。主都カーディフの西およそ150km


審議歴
1985年 暫定リストに記載。
1987年

辞退 … 委員会から「この種の建造物として最も優れた例であるか検討するべき」と指摘されたのち、推薦辞退した。

1998年 暫定リストより削除。


 


 ▲手前・大聖堂、左奥・司教館
写真提供:誠一郎さん(英国巡礼
   

解説/文=収斂さん、誠一郎さん
  アラン(Alun)川のほとりの緑濃い谷間にあるセント・デーヴィッズ教会は、ウェールズ屈指の規模をほこる大聖堂で、ウェールズの守護聖人セント・デーヴィッズ(St Davids)が、550年ごろに創建したものといわれている。現在の聖堂は1181年に建てられ、いままでに少なくとも4回大規模な改築が行われた。
  1124年、ローマ教皇カリクストゥス2世(Pope Calixtus II)は、「セント・デーヴィッズ教会に2回巡礼した者は、ローマに1回巡礼したのと同じだけ功徳があり、3回巡礼した者は、エルサレムに1回巡礼したのと同じくらいの功徳がある」といって、セント・デーヴィッズ教会を篤く庇護した。そのため多くの巡礼者がこの地を訪れるようになり、それはいまでも続いている。
  聖堂はウェールズだけでなく、英国でも数少ない12世紀初頭のころの建築様式を顕著に残し、典型的な教会建築としてよい見本である。敷地を取り囲む防壁は城塞を思わせる堅固なもので、城門から39段の階段を下った窪地に大聖堂(Cathedral)と司教館(Bishop's Palace)が隣接して建っている。とくに大聖堂内部にある木でできた彫刻は秀作である。その北側には1365年に建てられた、セント・マリー・ホール(St Mary's Hall)とよばれる建物があるが、これはかってセント・マリー・カレッジ(St Mary's College)という大学だった。また長い伝統を誇る聖楽隊も、この教会で有名なものの一つである。そしていまでも毎年、音楽の祭典が開催されており、国内外から有名な歌手が多く参加する






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