蒸気船「グレート・ブリテン」
SS "Great Britain"

国名 連合王国
分類 文化遺産
所在地 イングランド南西部のブリストル(ロンドンの西170km)に保存されている


審議歴
1985年 暫定リストに記載。
1988年 不登録 … ビューロー会議において、「興味深い推薦物件であるけれども、真正性を欠くので不登録とするのが妥当」と判断された。なお、世界遺産委員会では名前があがらなかった。
1998年 暫定リストより削除。


解説
  帆船の時代に突如現れた蒸気船。全長98m、幅15.4m、排水量3675トンで、1843年の進水式当時世界最大だった。グレート・ウエスタン汽船会社はこの巨大な船をつくるため、わざわざブリストルに新たなドック(グレート・ウエスタン・ドック)を建てたほどである。船の用途は旅客用。1845年に処女航海をし、ブリストルからニューヨークへ渡った。これにより大西洋を横断した初の蒸気船、初のスクリュー船、初の鉄船となった。
  第二次航海からは悪天候や故障に見舞われ
、1846年の座礁事故では、その莫大なサルベージ費用でグレート・ウエスタン汽船会社を破産させてしまった。1850年、オーストラリアの会社に売られ、大改修を経たのち、ヨーロッパからオーストラリアへの移民を運ぶ船として、およそ30年間活躍した。
  その後は座礁事故を機に、フォークランド諸島で羊毛や石炭の倉庫として
50年間使われた。船は傷みが目立ちはじめた1937年に沈没されられることとなったが失敗し、そのままフォークランド諸島の小さな入り江に放置された。1950年代に入り、船の歴史的価値が知られはじめ、1970年に多くの協力のもと建造地ブリストルのグレート・ウエスタン・ドックに運ばれ、修復された。船はいまもそこで保存されている



参考文献
『蒸気船の世紀』 杉浦昭典著、NTT出版、1999






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