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解説/文=収斂さん+浦に〜と 北極圏の代表的な景観と生態系
2万8500平方kmもの広大な面積を有するレナ川三角州は、北極圏における主要な景観のすべてが観察される場所であり、北極圏の要所ともいえる。デルタの北西部には典型的なツンドラの植生帯が見られ、南部にはいくつもの中州の島々があり、一部では山岳地帯まで形成されている。このデルタ地域のツンドラでは比較的多くの植物が見られ、400種近い草木・木本類のほか、100種を超える蘚苔類や、70種以上の地衣類が確認されている。レナ川の河口付近は海水と淡水が混じった汽水域となっており、プランクトンや湖底生物などの水生態系を探査するうえで、格好の場を提供している。
レナ川はロシアを代表する大河で、長さは4400kmで世界第10位。そして流域面積は、249万平方kmという広大さである。レナ川はバイカル湖の西岸の山脈を源にして、シベリアを縦断し北極のラプテフ(Laptev)海に注ぐ。とくに河口は広大な三角州を形成しており、上述のとおりきわめて貴重な自然が残るが、レナ川全体を見ても人為的な汚染がほとんどなく貴重な自然である。レナ川は、ヤクート(Yakut)人たちからは
Ulakhan-Iuriakh
と呼ばれている。これは「大きな川(Big
River)」という意味である。
アルダン川の河口に近づくと川の流域は幅20〜26kmにもなり、氾濫原(高水時に流水でおおわれる平地)は6〜15kmにもなる。この一帯はヤクート低地帯(the
Yakut
Lowland)とよばれ、レナ川の堆積平野であるため湖沼、湿地も多く、無数の支流が多くの中州や島を形成している。また川の深さは15〜20mにもなるが、浅い砂底のところも少なくなく、変化に富んでいる。 |