解説
本物件はドニエプル川の支流であるプリピャチ川の集水池の一部を占める。プリピャチ沼沢地はヨーロッパ有数の広大な湿地帯で、ポーランド国境地帯からドニエプル川までの500キロにおよび、面積は2万平方キロ以上にもなる。そのうち、ベラルーシとの国境域にある371平方キロの範囲が、世界遺産に推薦された。最も特徴的な景観は、森林を含む泥炭地と、氷河作用で形成された砂地の尾根や砂丘、低地の丘陵地(ヨーロッパアカマツにおおわれている)である。「スロヴェチノ=オヴルチの尾根」は標高316メートルで、推薦地域の東部に位置する。
本物件で見られる森林は、北ウクライナを南限とする北方性のものである点が特徴だ。しかしその多くが人工的な植林によるもので、森林が形成されてから100年も経っていない。これまでに確認されている維管束植物はおよそ600種、動物は、哺乳類38種(ヘラジカ、オオカミ、オオヤマネコ、カワウソなど)、鳥類180種(ハヤブサ、ヨーロッパオオライチョウ、ウズラクイナなど)、それに爬虫類7種、両生類11種、魚類10種である。
参考ウェブサイト
http://whc.unesco.org/archive/2001/whc-01-conf208-inf12e.pdf
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