ムバラカジュ森林自然保護区 Mbaracayu Forest Nature Reserve
|
||||||||||||||||
|
解説/文=収斂さん ムバラカジュ森林自然保護区(Mbaracayu Forest Nature Reserve)はパラグアイ東部に位置し、内陸性大西洋森林(Interior
Atlantic
Forest)のほぼ中核地域を形成するとともに、現在ほとんど失われてしまったブラジル大西洋岸森林(Atlantic
Forest
of
Brazil)の面影を、かろうじていまに伝える貴重な森林である。この森林は、いうまでもなく生物多様性に優れており、とくに貴重な鳥類が多く生息する森林として有名である。そのためIBA(Important
Bird
Area)という厳格な保護地域に指定されている。
ムバラカジュ森林自然保護区の最大の特徴は、公園面積663平方キロのうち、644平方キロがモイセス・ベルトーニ財団(FMB:Fundacion
Moises
Bertoni)という私立財団によって管理されていることだ。私立財団が管理する湿潤亜熱帯森林(humid
subtropical
forest)としては、世界最大規模の森林の一つなのである。
近年、ムバラカジュ自然保護区内を流れるJejui川上流では、土壌の浸食による河川の汚濁や農薬の流入が頻発しており、下流地域での環境悪化が危惧されている。また、人口増加によって最低限必要な食料や燃料が不足し、公園北西部や南東部では密猟や木材の伐採被害が深刻になっている。アリクイの一種のミナミコアリクイ(collared anteater)や、オオカワウソ(giant river otter:IUCNレッドリスト「絶滅危惧種」指定)も絶滅の危機にさらされている。
公園内に住んでいるAche族の文化の継承も重要な問題である。彼らはムバラカジュの森とともに生きてきた経験があるため、公園内での最低限の狩猟が特別に認められており、保存運動協議会において
Honorary
Council
という名誉職が与えられている。ムバラカジュの森の保護における原住民の生活の知恵は今日、大いに注目されている。 |