「銭形平次」テレビシリーズ
大川橋蔵映画
若さま侍捕物帖 若さま侍捕物帖(’56東映)

監督:深田金之助

共演:星美智子
    長谷川裕見子
    原 健索
    加賀邦男
    横山エンタツ

大川橋蔵主演の『若さま侍捕物帖』シリーズは第一作の「若さま侍捕物帖・地獄の皿屋敷」をスタートに「若さま侍捕物帖・お化粧蜘蛛」まで全10作作られた。
デビュー間もない橋蔵の初主演作である。

橋蔵のボンボン然とした若さまぶりが好評で当たり役となった。
花笠若衆 花笠若衆(’58東映)

監督:佐伯 清

共演:美空ひばり
    大河内伝次郎
    桜町弘子
    三條美紀
    堺 駿二
    星 十郎

美空ひばりの母親・加藤喜美枝の原作による美空ひばりの企画に、相手役として橋蔵が選ばれた。

双生児を忌む風習から故郷を追われ、江戸の侠客の家で育てられた男姿の吉三(実は扇山五万三千石の主、牧野内膳正の息女雪姫)が、お家乗っ取りを企てる一味によって巧みに罠に嵌められていく牧野家を救うために故郷に舞い戻る。

美空ひばりが二役で見事な啖呵をきった娯楽作。
花笠道中 花笠道中(’58東映)

監督:佐々木 康

共演:千原しのぶ
    大川恵子
    浪花千栄子
    尾上鯉之助
    山茶花 究
    三波春夫
    小沢栄太郎
    
    
草間の半次郎は、助人に出たヤクザ同志の争いの喧嘩の最中、過まって弟分の源次郎を斬ってしまった。
源次郎の身代わりに源次郎の故郷の盲目の母に仕える。
その妹おちかの頼みもあったからだが・・・。

やがて、おちかを狙うヤクザを成敗すると草間の半次郎はそっと立ち去るのだった。


新吾十番勝負 新吾十番勝負(’59東映)

監督:松田定次

共演:大友柳太朗
    岡田英次
    長谷川裕見子
    大河内伝次郎
    山村 聡
川口松太郎の原作を橋蔵主演で映画化したシリーズで、全7本が製作された。

時の将軍、吉宗の落としだねとして生まれた葵新吾が、父母への慕情を胸に秘め、次々と立ちふさがる難敵と闘いながら心技体ともに成長してゆく様が描かれる。

橋蔵にとっても最大の当たり役で、「十番勝負」が完結してからも「二十番勝負」そして「番外勝負」と連作された。
雪之丞変化 雪之丞変化(’59東映)

監督:マキノ雅弘

共演:淡島千景
    大川恵子
    進藤英太郎

おなじみの娯楽時代劇をマキノ雅弘が東映スコープで再映画化した。

手代の謀略にかかって処刑された長崎の豪商の一子・雪太郎が歌舞伎女形・雪之丞となって、仇討の機会を狙う。

橋蔵は雪之丞、盗賊・闇太郎、及び雪之丞の父親の三役を一人でこなしている。
赤穂浪士 赤穂浪士(’61東映)

監督:松田定次

共演:片岡千恵蔵
    市川右太衛門
    中村錦之助
    大友柳太郎
    丘さとみ

東映が創立10周年を記念してオールスターキャストで製作した忠臣蔵映画。

橋蔵は浅野内匠頭を演じた。大石内蔵助を演じた片岡千恵蔵が主演である。
東映の片岡千恵蔵と並ぶ御大・市川右太衛門は干坂兵部を演じてバランスをとっている。
天草四郎時貞 天草四郎時貞(’62東映)

監督:大島 渚

共演:大友柳太郎
    佐々木孝丸
    丘さとみ
    三國連太郎

松竹を退社した大島渚が東映で作った初の時代劇の異色作。

1637年に天草と島原のキリスト教徒が起こした島原の乱と、そのリーダー天草四郎の人間像を暗いトーンで描いた。

’60年安保闘争に敗北した民衆の心境が反映しているといわれた。
この首一万石 この首一万石(’63東映)

監督:伊藤大輔

共演:江利チエミ
    堺 駿二
    平 幹二朗
    藤原釜足
    水原 弘
    大坂志郎
    原 健作

伊藤大輔の’55年作品「下郎の首」のリメイク。

武家の奉公人である下郎の悲劇を描いて封建社会のの身分制度や武士道礼賛の気風を痛烈に批判した。
橋蔵は美男スターから一挙に汚れ役に転じて見せた。

その意味では同じ東映の「武士道残酷物語」「仇討」に通ずるものがある。
御金蔵破り 御金蔵破り(’64東映)

監督:石井輝男

共演:片岡千恵蔵
    朝丘雪路
    丹波哲郎
    杉浦直樹
    安部 徹

石井輝男初の時代劇。
フランス映画「地下室のメロディ」を下敷きにした異色作であった。
アラン・ドロン役が橋蔵、ジャン・ギャバン役が片岡千恵蔵である。

牢内で知り合った旗本くずれのヤクザ半次と老盗賊・富蔵は、江戸城内の御金蔵破りを計画するが・・・。
銭形平次 銭形平次(’67東映)

監督:山内鉄也

共演:舟木一夫
    水野久美
    大辻伺郎
    大友柳太朗
    小池朝雄
    

かって銭形平次は長谷川一夫が演じて以来、彼のはまり役だったが、橋蔵の平次がテレビドラマに登場してからは人気が二分する形になった。

目明かしの銭形平次の誕生から初手柄までをダイナミックな映像で描いた。

テレビドラマで主題歌を歌った舟木一夫がゲスト出演した。
映画館主から

大川橋蔵も歌舞伎界から映画に進出した俳優でした。既に大映からスタートしていた似たような境遇の市川雷蔵からの勧めもあったようです。

東映でのデビュー作は’55年の「笛吹き若武者」で、美空ひばりの相手役でした。このとき、美空ひばりから橋蔵の本名の富成をもじって“トミー”と呼ばれ、それがニックネームになりました。
この後、東千代之介、中村錦之助、市川雷蔵、大川橋蔵の四人は“ニスケ・ニゾウ”と評され、日本映画界の黄金時代を担っていくことになるのです。

橋蔵といえばその端正な顔立ちから「若さま侍捕物帖」シリーズ、「新吾十番勝負」シリーズが上げられます。
町人やヤクザを演じても武士のような品のよさが醸し出されていました。又、その甘い声も魅力的でした。
私が小学6年の時、岐阜県中津川市で「大川橋蔵ショー」を見る機会に恵まれました。全盛期の橋蔵は歌声も良く、魅了された記憶があります。

さて、美男スターの橋蔵も大島渚監督の「天草四郎時貞」あたりからリアリズムに徹した演技をするように変遷していきました。
特に「この首一万石」での橋蔵は凄まじいまでの体当たり演技で、凄惨な最後を遂げる下郎を演じました。

テレビに転じた橋蔵は「銭形平次」シリーズで、18年間、888回という長丁場を演じぬき、長谷川一夫から引き継いだキャラクターを終生の当たり役としたのでした。

橋蔵は昭和59年(1984年)、の暮れに腸から肝臓に転移した癌のために55歳の若さで他界したのです。若すぎる死でした。

  映画館へ戻る