【キリのコメント16】
オオナムヂ大活躍…というよりも、スセリビメの功績がひかる物語ですね。
一目見ただけで恋に落ちる
瞳で交わす恋もある…なんて、いいですね〜
まさに一目ぼれ&相思相愛状態の二人。
そんな二人を邪魔するように無理難題を押し付けるスサノオ。
なんだか、かわいい娘をとられたくない父親が、ムコ殿にいやがらせをしてい
るようですね。
…でも、いやがらせならまだしも殺意まで感じますが(^^;
愛する夫を助けるためにスセリビメが大活躍!
ヘビがたむろする部屋に入れられた夫にヘビを撃退する布を渡します。
古事記では「領巾(ひれ)」と書かれたこの布は、古代の女性が首にかけ、胸に
長く垂れさせた薄い布のことで、ヘビやハチなどの害をはらう呪力を持つと考
えられていたようです。
この物語ではスサノオがオオナムヂを“殺す”気でヘビやムカデのいる部屋に
いれていますが、古事記ではそのようなスサノオの心情を示す表現はありませ
ん。あくまでも、私の個人的な主観です。
でも、その後のナリカブラを平野に撃ち、それを拾わせている最中に火を放つ
わけですから、やっぱり殺す気だったんだと思ってしまいます。
ただ、これらも古代の成年式儀式として若者に課せられるさまざまな苦難と試
練と考えれば、なにも殺すことだけを主眼に見る必要もなくなります。
そして、古代社会ではこの成年式儀式を終えたものだけが結婚を許されたそう
ですから、この後、根の国から脱出したオオナムヂがスセリビメと結婚するの
も、成年式儀式を達成した後なので、古代の社会通念上では正しい手順を描い
ています。
古事記を読む上では、現代的な価値観で考えてはいけないのでしょうね。
古代社会の常識や価値観なども学ばないと意味を取り違いかねません。
がんばらねば〜
さて、平野に打ち込まれたナリカブラ(鏑矢)を探しているオオナムヂは、ス
サノオのために、一面火の海の事態に追いやられてしまいます。
絶体絶命のオオナムヂ。
そんななか、ネズミが出てきて、「内はほらほら、外はすぶすぶ」と話しかけて
きます。
これは、「内部はうつろで、外部はすぼんでいる」という意味ですが、図に書く
とこんな感じでしょうね。

これならば大丈夫です。
オオナムヂがこの穴に身を隠した瞬間、ゴォーと頭上を火が襲った…というの
はより臨場感を出すための私の演出で、実際には、この穴に身を隠している間
に火は焼けすぎたとあるだけです。
火をやり過ごしたオオナムヂの元に、先ほどのネズミがやってきて、スサノオ
の放った矢をくわえてもってきてくれます。
でも、その矢の羽はネズミの子供が食い破ってしまったそうです。
しかし、平野で焼かれた後に脱出するのも古代の成年式の一儀式として本当に
あったのでしたら、そら恐ろしい儀式ですね。
さて、次回はスサノオの根の国からオオナムヂはスセリビメを背負って脱出し
ます。
オオナムヂはどのように根の国を脱出したのか?
今度はスセリビメはどのように夫を助けたのか?
手に汗握る脱出シーン。
次回、「根の国脱出」をお楽しみに〜
そうそう、このように女性が愛する男性を助ける伝説はギリシアにもあります。
そう、ミノタウロスを倒したテセウスです。
このときには、ミノスの王女、アリアドネがラビリンスから脱出する方法を教
える話です。
二人の愛の物語。
古事記では男女の愛の物語がたくさんございます。
それもお楽しみに〜