===================================
 日本の原典〜古事記物語〜 第16号 2003年9月15日発行
 ===================================
 目次
 ★古事記物語「第16話 根の国訪問」
 ★【キリのコメント】
 ★【次号の予告クイズ】
 ★【編集後記】
 ===================================
 <第16話 根の国訪問>
 
 「ふぅ、ようやく根の国についたようだな。」

 オオヤビコにすすめられるままに、スサノオのいる根の国に来た、オオナムヂ。

 「あれ、あそこにいる女性は…」
        
           バチバチ
 ………………… × …………………

 オオナムヂの瞳の先にいた女性は、スサノオの娘、スセリビメ(須勢理昆賣)。

 二人は目を交わした瞬間、恋に落ち、言葉を交わさずに互いの心の中で結婚を
 誓い合った。
 (上の…は二人の視線をイメージしてみました)

 瞳で語り合ったスセリビメは、一旦そのまま家に帰り、父、スサノオに

 「素敵な神が来たわ。」

 と話した。

 「お前がいうなら、よほどいい男なのだろうな。どれどれ、どいつだ?」

 「あの方です。」
 
 「ん? あいつはアシハラシコヲ(葦原色許男)じゃないか。まぁ、いい、よ
  く来た。この部屋で休んでいけ。」

 といって、スサノオが泊めた部屋にはヘビが一杯!

 「ひ、ひぇ〜」

 部屋一杯にうごめくヘビの群れに驚きおののくオオムナヂ。
 部屋を出ようにも扉には外からカギをかけられ逃げられない…

 トントントン……

 「あたしです。スセリビメです。」

 「あぁ、あなたか。助かった。早く私をここから出してください。」

 「…それはできません。父がきっと気づきます。」

 「それでは私はどうすれば…」

 「これを使ってください。もしヘビが襲ってきそうになったら、この布を三回
  ふれば、ヘビを追い払うことができます。」

 そういって布を窓から投げ込んだスセリビメ。
 その布を拾って、迫りくるヘビ達に布をかざし、三回ふると…

 スルスルスル〜

 とオオムナヂに向かってきていたヘビがピタリと止まり、オオナムヂに襲い掛
 からなくなった。

 「ふぅ〜、助かった〜」

 スセリビメからもらった布の効力でヘビから襲われなくなったオオナムヂは、
 その晩はぐっすり眠った。

 zzz……

 …………………………

 「おぉ、もう朝か、今ごろあいつはくたばっているだろう。」

 …………………………

 「おはようございます!」
 「!?(なぜ、あいつは生きているんだ!?)」
 
 ヘビの毒で死んだと思っていたオオナムヂが、生きていることに驚いたスサノ
 オは、今度はムカデとハチがいる部屋にオオナムヂを連れて行く。

 「今晩は、この部屋で休むといい」

 そういって扉を閉じるスサノオ。
 しかし、スサノオが立ち去った後に、今度もスセリビメがやってきて…

 「あなた、今度はこの布を3回お振りください。」
 「ありがとう」

 今度も無事眠ることができたオオナムヂ。
 
 …………………………

 「おはようございます!」
 「???」

 またしても元気な姿を見せるオオナムヂ。
 部屋に閉じ込めるのでは殺害できないと思ったスサノオは、オオナムヂを今 
 度は外に連れ出した。

 「今からワシが撃つナリカブラ(鳴鏑)を拾って来い!」

 ピュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ……………………………

 ガサゴソ、ガサゴソ

 「う〜ん、どこにいったのかなぁ」
 スサノオの撃ったナリカブラを探すオオナムヂ。
 
 ガサゴソ、ゴソガサ

 オオナムヂが一生懸命探している間……

 ……………………………

 「お、お父さん、何をするの!」
 
 パチパチパチ………

 オオナムヂがまだ平野でナリカブラを探しているというのに、その平野一面に
 火をはなつスサノオ。

 「お父さん、止めて!」

 ……………………………

 プスプスプス……

 「ん?」

 パチパチパチ……

 「う、うわぁぁ…」

 気づいたときには辺り一面火の海に!

 「ど、どうしたらいいのだ。」

 あわてるオオナムヂ。
 
 「もしもし」

 「ん? どこからか声が聞こえる…」

 「もしもし、オオナムヂ様。」

 「あっちから声が聞こえてくるぞ」

 声のする方に行くと、ネズミがいた。

 「ここの内側はうつろで広く、外側はすぼんでいるよ」

 ということは?

 ガシガシッ!

 ネズミが教えてくれた場所を力強く踏んでみると…

 ボコッ!
 
 大きな穴が開き、その穴の中は広く、身を隠すにはちょうどいい大きさ!

 それっ!

 穴の中に入った瞬間に頭上に火が襲いかかる。

 ゴォォォォォォォォォォォォォォ

 勢いよく燃え広がる火の海。
 しかし、その火の勢いも次第に弱くなり、いつしか完全に火が消えていた。

 「ふぅ〜、助かった!」

 「はい、これっ!」

 そういってネズミから手渡されたのは、まさしくスサノオの放ったナリカブラ。
 
 「矢の羽はぼくの子供が全部かじっちゃったんだ、ごめんね」 

 <参考文献>
 岩波書店:古事記(倉野憲司校注)
 講談社学術文庫:古事記(上)全訳注(次田真幸)
 ===================================

 【キリのコメント16】

 *このページは古事記との違いや、さらに詳細な説明が書かれています。
  お時間に余裕がございましたら、ご覧くださいませ。

 ===================================
 【次号予告クイズ】
 Q16.根の国を脱出するオオナムヂ。しかし、脱出するときにスサノオに気づ
    かれてしまいます。それはどうして?
 1.スサノオの仕掛けてあったワナにひっかかったため
 2.父と離れることが悲しくなったスセリビメが泣いたため
 3.太刀と弓矢とともに一緒に持ち帰ろうとした琴が木にひっかかって鳴って
   しまったため

 答えは、次号を読めば分かります。
 次号「根の国脱出」をお楽しみ〜

 第17話<根の国脱出へ>

 戻る


 |  医食同源<体にいい食べもの>  |  週刊「孫子の兵法」  |  週刊「国宝」  |  週刊「論語」  | 
 |  織田信長一代記  |  一日一考  |  古事記物語  |  お城旅行記  |