【キリのコメント21】

 アメノワカヒコが死に、その死を悲しんでいる妻、シタテルヒメの泣き声は、
 高天原にいるアメノワカヒコの父親のもとにも聞こえ(それはそれですごいで
 すね)、下界(葦原中国)に下りてきます。

 変わり果てた息子の姿を見て、悲しむ両親と妻。
 さっそく葬儀を執り行います。

 ここで、鳥たちが葬儀の際に活躍するのは、死後の霊魂が鳥となって天に上る、
 または鳥のよって彼岸に運ばれるとする、古代民族に共通する信仰によるとい
 う説もあるそうです。
 
 また、この鳥たちの役割で、古代の葬儀の際に行われる儀式が垣間見れますね。

 ・まず、喪屋を作り
 ・食物を運ぶ係
 ・掃除係
 ・御饌(みけ)の係
 ・米つき女役
 ・泣き女役
 ・そして、八日八夜の間歌舞して死者を弔った

 そんな中、親友アメノワカヒコの葬儀のために、アヂシキタカヒコネノカミが
 やってきます。

 しかし、そんな彼を見た父親と妻は、彼がアメノワカヒコにそっくりだったの
 で、アメノワカヒコは死んでいなかった! といって手足に取りすがって泣き
 悲しんだのですから、突然、抱きつかれたアヂシキタカヒコネノカミはビック
 リしたことでしょう。

 見ず知らずの人に抱きつかれ、泣かれるのですから。
 
 これは、年ごとに穀神が死んで復活するという、穀神の死と復活の信仰を中心
 とする農耕祭儀に由来するものを言われています。

 この穀神の死と復活は古事記を読み解く上で、重要な考え方かもしれませんね。
 
 さて、死んだアメノワカヒコを間違えられたアヂシキタカヒコネノカミは、怒
 って喪屋を剣で切り倒し、足で蹴飛ばしてしまって、そのまま飛び去ってしま
 いました。

 このとき、蹴飛ばされた喪屋は、岐阜県不破郡垂井町府中に喪山という伝説地
 として伝わっているそうです(ネットで調べたら、この喪山は現在「送葬山(そ
 うそうやま)と呼ばれているそうです)。

 さらにネットで調べたら、この喪山に喪山天神社があり、ここにアメノワカヒ
 コが祭られているそうです。

 非業の死を遂げたアメノワカヒコも今の時代まで祭られているのですね。
 伝説の世界の古事記の神話のお話。
 それが、今も忘れられずに神社になって祭られている。

 神社の歴史を調べるといろいろおもしろいですね。

 愛する我が子の喪屋を蹴飛ばされた父、アマツクニタマノカミの心中はいかば
 かりか?
 そちらの方も気がかりですね…

 これもアマテラスの命に従わなかったむくいなのか…

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