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日本の原典〜古事記物語〜 第21号 2003年10月20日発行
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目次
★古事記物語「第21話 アメノワカヒコの葬儀」
★【キリのコメント】
★【次号の予告クイズ】
★【編集後記】
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<第21話 アメノワカヒコの葬儀>
「うぅぅぅぅ…、あなた、あなた、うぅぅぅぅ」
アメノワカヒコの妻、シタテルヒメのうら悲しい泣き声は、風に乗り、天にも
聞こえた。
シタテルヒメの泣き声を聞き、アメノワカヒコの父、アマツクニタマノカミと
その妻子が下界に下ってきた。
「シタテルヒメよ、どうして泣いているのですか」
「夫、アメノワカヒコが死んでしまったからです…」
「なんと、我が子が死んでしまったのか。おぉ、息子よ…」
息子の死を知ったアマツクニタマノカミは、泣き悲しみとともに、息子のため
に喪屋を作り、川雁(かわかり)を食物を運ぶ係にし、鷺(さぎ)を掃除係に
し、翡翠(かわせみ)を死者に備える御饌(みけ)の係にし、雀(すずめ)を
米つき女とし、雉(きじ)を泣き女とし、このようにそれぞれの役割を決めて、
八日八夜の間歌舞して死者を弔った。
…………………………
「アメノワカヒコの葬儀はこちらですか?」
「わざわざ息子のために来てくださったのですね。さぁさぁ、こちらへ…!?」
「どうかしましたか?」
「おぉ、我が子は死なずに生きていたのだ!」
「あぁ、我が夫は死なずに生きていたのだ!」
「な、何をするんだ! は、離せ!」
親友、アメノワカヒコのために葬儀に来たアヂシキタカヒコネノカミ(阿遲志
貴高日子根神)は突然、アメノワカヒコの父親たちが自分の手足に抱きついて、
泣き出したのを見て、驚くとともに、怒りがこみ上げてきた。
「私は、親友のアメノワカヒコのためだから、わざわざ来たのに、どうして、
その私をけがわらしい死人に見立てるのだ!」
そういって、身につけていた剣を抜いて、喪屋を切り伏せ、足で蹴飛ばしてし
まった。
そして、アヂシキタカヒコネノカミは怒って飛び去ってしまった。
<参考文献>
岩波書店:古事記(倉野憲司校注)
講談社学術文庫:古事記(上)全訳注(次田真幸)
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*このページは古事記との違いや、さらに詳細な説明が書かれています。
お時間に余裕がございましたら、ご覧くださいませ。
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【次号予告クイズ】
Q21.相次ぐ使者の失敗を受けて、最後の使者が派遣されます。
その神の名は、タケミカヅチ。
その神に使者になるよう伝えた神は、どの動物を神格化したものか?
1. 鹿
2. 熊
3. 犬
答えは、次号を読めば分かります。
次号「タケミカヅチ」をお楽しみ〜